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こんなにたくさんお芝居があると、もう世の中には新しい「物語」というのはないんじゃないかしらというような気がしてきます。 どんなすてきなお話だって、なんだかどこかで聞いたことがあるような。ものすごいドンデン返しだって、一度使ったらもうおなじみのものになってしまう。それでも必死になって新しい物語を紡ぎ出す努力をするというのが劇作家としての正しい道なのかもしれませんが、僕はあっさり他の道を選んでしまっています。 それは「パロディ」ということです。元のお話をちゃんと活かしながらも、全然違うお話にしてしまうことですね。ただ、そこで一番難しいのは、どんな着眼点で変更を加えていくかということ。幸い、僕は「ゲイ」のお芝居ばかりを書いています。世界中にお芝居はたくさんあっても、ゲイのお芝居はまだそんなにたくさんはないんです。すばらしいお芝居の数々を、僕たちゲイの視点から読み直し、書き直す。こんなにやりがいのある仕事はありません(それに楽しいし!)。 今回の「ひまわり」は、日本映画の名作というか日本人の心のふるさと、渥美清主演の「男はつらいよ」シリーズのパロディです。 「もし寅さんがゲイだったら?」という思いつきから書き始めたこの芝居。葛飾柴又の「ひまわり美容室」に寅さんならぬゲイの健太郎がド派手なドラァグクィーン姿のままで帰ってきたらいったいどんな騒動が起こるだろうか?というものだったんですが、台本を書いて稽古するうちに、「男はつらいよ」のパロディ「ゲイはつらいのよ」というお芝居を上演しようとする人たちのお話になってしまいました。 パロディに劇中劇、そんな幾重にも重ねられた嘘の先に、ほんとのことが見えてくる。そんな芝居の作り方も、僕にはとっても「ゲイならでは」のような気がしています。 1999年初演の舞台の再演です。当たり前ですが、台本はもうあります! どうぞ安心して見に来て下さいね。<関根信一> |