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8月30日(水)
稽古18回目。
ついに、改訂版の台本が完成した。
大きく変わったのは、ラストの場面の一つ手前。
「え、どこが変わったの?」と一番最初に読んでもらった高市氏に言われたけど、微妙に変わってます。
初演見た人にわかってもらえるだろうか?(わかると思うけど‥‥)
印刷した台本を手に、稽古場に向かう。
再演のための改訂なのに、こんなに遅くなってごめんね。
一番割りを食ってるのは、内藤役の森川くんだ。彼の役は、後に行けば行くほど、大変になってくる。
稽古場に、照明のおにさんと、音響の樋口さんが来てくれた。
トレーニングのあと、先週の土曜日の続き、木澤と仙道、内藤の場面をやる。
予定だったんだけど、久しぶりのウォームアップをかねて、電話と自己紹介の場面、内藤の登場からバーの場面までを通してみる。
スタッフに見てもらうっていう意味もあったんだけどね。
狭い稽古場で、実寸で稽古はできないけど、なんとなく空間のひろがりはつかめるようになった。
狭いんだけど、広く使えるようになったっていうのかな。
続いて、予定していた木澤がらみの場面。
若さんは、今日は仕事で行ってた新潟から帰ってきたばかり。3日ぶりの稽古で、なんだかふっきれたみたいに、堂々とした芝居になってた。
この木澤という劇場主は、「オープニング・ナイト」という芝居の劇中の人物の関係と、「真夜中のパーティ」の人物関係のダブリ方、重ね合わせ方を、全部わかってるという役なんだけど、だからこそ、両方の芝居の意味を「ダブルミーニング」でしゃべる台詞がいっぱいある。つまり、かなり「くわせモノ」な「クサイ芝居」をしてもらわないといけない。
今日の若さんは、むちゃくちゃ嫌みな「くえないオヤジ」だった。高市氏は、もう一息ってかんじ。
対する森川くんには、「いっぱいいっぱい」な若い芝居をしないでねと頼む。
スターなんだから、十年前にお世話になった、小劇場の小屋主と話す時に、そんなに真剣に向き合わなくてもいいんじゃないのと。
追い詰まってるのをそのまんま出すのか、出さないのか? いろいろなやり方があるはず。そんないろいろを見せてほしい。
で、今日はここまで。続きは明日。
若さんのおみやげの温泉煎餅を食べながら、三軒茶屋までてくてく歩く。
もう8月も終わり。風がさすがに涼しくなってきた。
でも、「酒部」は健在。僕はこのごろ、ビールじゃなくて、「あやしい」缶チューハイにはまってます。ちなみに今日は、「夕張メロン」味。
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8月31日(木)
稽古19回目。
今日は、こないだの日曜日、パレードを一緒に歩いたうすいさんが、稽古場に遊びに来てくれた。
ストレッチを一緒にやって、稽古をずっと見ていてもらう。
今日の稽古は、まず、頭の電話のシーンから、自己紹介、バーのシーンまでを少し通してみる。みんなのはじけ方がだんだん決まってきた。なかでもいっこう氏の「ブランチ」は、かなりトバシてて、いいかんじ。
その後、昨日の続きの、木澤と内藤の場面。
若さんと森川くんで、細かく細かくやっていってもらう。
若さんの木澤の「食えないオヤジ」なかんじと、それに向き合う「スター」内藤役の森川くんの「一本気なかんじ」がなかなかいい緊張感を生んでいる。
でも、森川くんにダメを出す。「それじゃ、あまりに一本気な正直娘なので、もっと、スターの余裕を見せてちょうだい」と。
最初の台詞のトーンから始めて、「こうしてみたら?」というダメをいっぱいいっぱい出す。
その一つ一つに応えてってくれる森川くん。アンド、毎回それ以上のプラスαを持ってきてくれて、なかなか楽しい稽古だった。
木澤役を高市氏に変わってもらって、同じ場面をやったら、森川くんが急に「のびのび」とした芝居をするようになってびっくり。
相手が変わるとこうまで変わるんかい?ってかんじ。
そういえば、前回の「Nude」の時、マッスーとはやせくんがダブルキャストだったんだけど、その相手を一人でするヨシオが、やっぱりこんなふうだった。
マッスーとは、のびのびやってるのに、はやせくんとは、どこかぎこちないというか‥‥。
ヨシオに「どうして?」と聞いてみたらば、「はやせくんはなんだか怖くて‥‥」と言っていた。
うーん、たしかにそうかも(うそです。はやせくんはとってもカワイイうちで一番の若手なんだけど。)
森川くんに聞いたら、やっぱり「若さんは『でっかくて‥‥』」とのことだった。威圧されちゃうのね。
若さん、背丈は177Bなんだけど、たしかに大きい(自分では「壁かい?」なんて言って笑ってた)。
やっぱり芝居って相手が変わると変わるもんなんだねと、当たり前のことに今更ながら思いいたる。
また、ちゃんと、相手が変われば違った芝居をしてる森川くんの芝居の「素直さ」もいいなと思ったんでした。
で、今日はここで時間切れ。
稽古の後、「サケ部」(いっこう氏+若さん+関根)+イワイワ+森川くん+ゲスト:うすいさんで、飲みに行く。
帰ってきて、今は夜中。
関根は、「Nude」のためにこの夏中、ずっと生やしていた「ヒゲ」をついに剃りました。
長いヒゲを剃るのはなかなか大変で、時間をかけて剃り剃りしていたら、剃刀負けしたみたいで、ヒリヒリしてます。
心配してた、「ヒゲ剃り跡=日焼けしないで真っ白」には、なってませんでした。ああ、よかった。
明日(今日)から、9月。
演出ももちろんだけど、僕の仙道くんの芝居もどんどこ固めていかなきゃね。
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9月1日(金)
稽古20回目。
今日は、ノグと高市氏が休み。
まず、自己紹介の場面の流れでマッスーの水無月くんが「ちょっと待った! 僕は『真夜中のパーティ』の上演には反対です」というところをやってもらう。初演のマッスーは、もうかなり「がむしゃら」なかんじで、とっても勢いがあったんだけど、今回は、いろいろ考えてやってるせいか、今いち迫力がない。
そのへんをいろいろやってもらいながら、彼の話をきいてる僕とみんなの芝居も考えていってみる。
この場面は、みんなが半円形になって座っていて、だから、彼らに話す人は、必然的に客席に背中を向けることになる。前にも、書いたけど、僕は今回なかなかそんな空間のおさえかたが「開き直れ」ないでいた。
でも、今日の稽古で確信。きっちり背中を向けてしまう。
「僕が背中を向けてるとき、お客さんに見えるのは、みんなの顔なんだからね」と念を押す。
続いて、久しぶりな、森川くんとマミーの場面。1週間ぶりに稽古場にやってきた内藤となんだかすっかり元気になっている伊勢原のからみ。
森川くんの「余裕」なかんじがなかなかいい。マミーの元気になってるかんじが、今いち「型」になってて、ふたりのやりとりが積み重なっていかない。一度やって出来たかな?と思ってた場面なんだけど、きっちりもう一度やってってもらう。
キャラクターを作ってってもらうことも大事なんだけど、それより何より、相手としっかりやりとりしてってもらうことを、大事にしていきたい。
二人の場面で、一人が相手にちゃんと話しかけてないと、その相手から返ってくるものも、どんどんなくなってって、結局芝居が成り立たなくなってしまう。それは一人じゃどうにもならない。芝居って一人じゃつくってけないってことの、あからさまな証明だ。
思い切って、「明るい&元気」にやってもらって、台詞がかみ合ったのを確認して次に進む。
続いて、イワイワが演じる飯島くんが、「この芝居出られなくなりました」と言いにくる場面。
まず、やってみてもらって、なんだかよくない。みんな、段取りで芝居をしてる(僕もね)。
上手からイワイワは来るんだけど、舞台中央に彼を連れてきて中心にみんなが集まって話を聞く。その「心配なんで話が聞きたい」かんじが嘘っぽいっていうか、何にもない。
「何をやってもいいから、心配で話が聞きたいときにどうするか? それをやってちょうだい」とダメを出す。
その次に出来上がった場面は、「なんだか、小さくまとまって」とか「バランスが悪い」とか、いろいろ「?」なところはあるものの、とってもあったかいものになった。
この芝居では前にも言ったけど「人の話を聞いてる」芝居がものすごく多い。その聞き方が、「お約束」になってしまうと、その時点で、この芝居はおもしろくなくなってしまう。
何気なくやってた段取りの芝居が、ちゃんとしたものになる。その過程。じゃあ、欠けてたのはいったいなんだったのか? それが目に見える形がわかって、よかった。忘れないでいきたいと思う。
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9月2日(土)
稽古21回目。
僕は、昼間の稽古をお休みさせてもらって友人が出てるミュージカル「ポール・ロブスン物語」(@八王子いちょうホール)のゲネに行ってた。
今日は、どこもむちゃくちゃ暑かったいみたいだけど、八王子町なかの「電光掲示板」が表示してる気温は「37℃」。今日は、みんな「発熱」しちゃってるわけね。
稽古に向かう中央線の窓から、空を見てたら、東京方面の空は真っ黒。ところどころ、白い雲が立ち上っててるみたいで、ああ、あそこ夕立が降ってるんだなと気づく。
しばらく見てたら、その夕立が降ってるらしい、白い雲の柱に、大きな虹ができている。
遠くは黒雲、その手前の白い雲には七色の虹、頭上はなんと青空、後ろの方では早くも夕映えが雲を照らしてる。
むちゃくちゃダイナミックな空の景色だった。
で、大遅刻(?)して、稽古場入り。
僕がいない間に、こないだできたラストまでの「改訂台本」をふくめて、かなり長い時間、みんなで読みあわせをしたそうな。
僕がやってる「仙道くん」の役をやってくれてた高市氏は、「あんたなんでこんなにしゃべれるの」と台詞の量にあきれてました。
お疲れさまでした。しかも、後に行けば行くほど大変になるしね。これはほとんど、初演の時の事情(台本がなかなか完成しなかった)せいで、「最後はアタシが自分で何とかするわ!」ってなことになってるからです。
でも、むちゃくちゃやりでがあって、いい気持ちなんだけどね。
さて‥‥
マミと森川くんの二人の場面から、劇中の「乱闘シーン」までを今日はやってみた。
二人の場面は、昨日できてたところプラス、森川くんの余裕が上乗せされててよかった。
マミの追求のしかたもなかなかいい。
続いての、僕とノグの二人の場面は、今回初めての稽古。
初演でもやってるんだけど、ここは今日はとりあえずこんなねというかんじで流しておいて、「乱闘(?)シーン」。
「真夜中のパーティ」1幕のクライマックスの稽古をしているんだけど‥‥という、言ってみれば劇中劇の稽古。
細かく、段取りをつけていって、さあ、実際にやってみる。
エモリーを殴るアランという場面。アラン役の内藤(森川くん)がエモリー役の毛利(いっこう氏)を本当になぐってしまうところ。芝居の稽古のはずなのに。
何度か返して、「乱闘」自体は、だんだんできてきたんだけど、一番のポイントは、本当になぐってしまった内藤の「興奮のしかた」とそれを見ているみんなの醒めたかんじなんだと気が付く。
そのへんを注意して、何度かくり返す。
ここは、「オープニング・ナイト」後半の展開のきっかけになる、大事な場面だ、
森川くんのエキサイトしてるかんじと「ふと、われに返る場面」ができたところで、今日はここまで。
明日は、後半の一番大変なところ「心の問題」の場面をやってみよう。
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9月3日(日)
稽古22回目。
今日は、高市氏が休み。
昨日の予告通り、「心の問題」の場面をやる。
これはオリジナルの「真夜中のパーティ」の中でやられる「一人の本当に愛した人に電話をかける」というゲームを、「オープニング・ナイト」の劇中で、「真夜中のパーティ」の稽古をしている面々が実際にやってみるという場面。
とってもヘビーで、でもだからこそやりがいのある場面。
昨日の「乱闘シーン」からの流れで始めてみて、「いいかんじだったら、場面の終わりまで行ってみようか?」ってことだったんだけど、結局、終わりまで通してしまった。
電話をかけるマミーとマッスー、ヨシオ、それにいっこう氏。それぞれいろいろな問題点はあるんだけど、なんだか、それはそれとして、とってもいいかんじ。なにより、一人が電話をかけてみんながそれを聞いてるって「場面」がちゃんとできあがってたので、ストップしないで続けることにした。
僕が演じる仙道とつきあっている成瀬役のノグの場面。ここは、今回新しく書き直したところ。稽古は今日が初めて(読み合わせもしてない)。
非常にいいふんいきに作り上げられた(orなってる)場での最初の稽古っていうのは、なんて言ったらいいんだろう、自分でも思ってもみなかったことが、どんどこできてってしまう。それは、台本を書きながら、僕が考えてた芝居ではなくて、その後、演出家として考えたものでもなくって、そんなことをみんな忘れて、僕は、ほとんど初めてしゃべる台詞に向かってた(ノグはどうだったのかな?)。
この場面が思ってたより全然おもしろくできてしまったので、そのまま続けることにした(ていうか、正直に言います。とっても楽しかったの!!)。
続いて、僕と森川くんが決定的に対立する場面になる。初演からもう何度も何度もやってる場面だから、どうやればいいかは、よくわかってるつもりだった。
でも、今回、初めて芝居してる森川くんとやりとりしてるうちに、ここでも、僕は思ってもなかったところに連れてかれてしまったみたいだ。
こんなにきっちり「対立」できてしまうなんて‥‥。
傷ついた獣が血を流してるみたいなそんな傷つき方をしていながら、それでも、まだ、自分の思いを言葉にしないではいられない。そんな二人の「ズタズタ」なかんじに、僕は、文字通りズタズタだった(ごめん、よくわかんないね?)。
一回軽く通すはずが、「思い切り」通してしまった後は、細かく細かく小返ししていった。
電話をかける人たちへのダメだし&稽古の後、話している人よりも、それを聞いてる人間の方が、実は大事なんだよとみんなに話す。
目の前に繰り広げられているのが、聞くのがつらいことだって、目をそらしてしまうわけにはいかない。そんな状況の中で、しっかり「聞こう」とする人たちを、ちゃんとやってちょうだいと話す。
ゲームに参加しないでむりやりこの場にいさせられる森川くんには、「聞こえないふりはしてるんだけど、一言もらさず聞いといて」とお願いする。それが、その後の場面への「積み重ね」にきっとなってくはずだから。
今日唯一の反省は、僕が、あんまり気持ちよさそうに芝居してしまったことだ。かなり「泣き」が入ってたと思う。でも、初日だからね(稽古の)、ゆるしてちょうだい。明日からは、少しおさえていこうと思う。
でも、今日僕は、この場面がとってもおもしろくできあがることを確信した。ほんと、みんな、とってもいい頃合いにできあがってきてる。一人一人も、チームワークも。
この調子で、ラストまでいってしまおう。
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