「オープニング・ナイト」稽古日記

第8週(9/11〜9/18)

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 9月11日(月)

 稽古30回目。
 イワイワが仕事で遅くなってしまったので、半通しはやめて、各自があちこちをさらうという「自主稽古」ぎみな稽古にあてる。
 僕は、なかなかうまくいかない、ノグの成瀬との場面を中心に。
 ノグも先週末から、いろんな私用が重なって疲れてるみたいだ。
 「心の問題」の山場のやりとりを、ああでもないこうでもないと、時間をかけて作っていく。
 今日も、ジャスミンさんが衣装を持ってきてくれた。
 木澤役の二人の衣装が、ようやく決まった。
 同じものを使い回すのは不可能な体型の違いなんだけど、よく似たあやしいかんじになったと思う。
 舞監のさっこさんがちょっと来てくれて、小屋入りしてからのスケジュールと、昨日の通しの話をしてってくれる。
 ラストの千秋楽から後の部分を通してみることにした。
 昨日の通しでは、どうしても「アゴが上がってしまうような」一番しんどい場面になってたんだけど、ここから先を単独でやってみると、軽いノリに仕上がっていく。
 ここにたどりつくまでの約2時間。幕が開いてから2時間後にどうなってるかってことがだいじなんだよね。同じところに辿り着こうとは思ってないけど、へばるのだけは勘弁ってかんじ(あたりまえだ)。
 最後に、ヨシオとはやせくんの地下鉄の場面を返す。
 去年の初演のときの「固さ」を思うと、今目の前でケロケロ芝居している二人がかわいくてしかたない。
 1年は大きかったね。
 明日は、最後の稽古。
 「心の問題」以降を通して、安心して(僕がね)劇場入りだ。

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 9月12日(火)

 稽古30回目。最後の稽古。
 後半を通す。
 その前に、森川くんと二人で、エチュードをやってみる。
 内藤君と仙道君の昔みたいなかんじ。
 二人で芝居の稽古をしてみようっていう企画。
 僕が「ガラスの動物園」のトムとジムの場面。森川くんがこないだSGM2000でやった「蒲田行進曲」の銀ちゃんと小夏の場面。
 内藤くんがリードするという設定で、しばらくいろいろやってみた。
 森川くんは、ジムと銀ちゃん、僕は、トムと小夏を読む。
 「オープニング・ナイト」の稽古では、僕は一応演出家なので、そうじゃない関係で芝居を稽古するのはなんだか新鮮でおもしろかった。
 どう「オープニング・ナイト」の役に立つのかどうかはわからないけど、でも、やってみてよかったと思ってる。
 その後、ノグと二人で「心の問題」の場面。
 100円ショップで買ってきたメガネをかけて、ノグはいつもと違う人になってる。メガネとか仮面とかってそういうもんなんだよねと、改めて納得。
 メガネといえば、マッスーに「三角メガネかけちゃダメですか?」聞かれたけど、即却下。かけなくても目が三角になってるからね‥‥。
 で、後半、「心の問題」からを通してみる。
 僕は、ようやく役者モードになれたみたいだ。
 約1時間。最後の稽古ということもあって、緊張感のあるいい場面が続いた。
 最後に、明日と明後日の打ち合わせをしておしまい。
 明日は、荷積みのため、稽古はない。
 あとは、劇場で、劇場と一緒に芝居を作っていく。
 「芸術劇場小ホール2」は、どんな芝居をする小屋なんだろうか?
 楽しみだ。
 明日以降も、この稽古日記は続けていこうと思うので(たぶん千秋楽まで)、これからもよろしく。

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 9月13日(水)

 今日は、明日の劇場入りのための荷積み。
 といっても、朝霞にあるライトマジックさんのとこの「うちの倉庫」から、必要なものを取ってくる&持ち込みの器材を積んでくるってだけなんだけど。
 森川くんと待ち合わせて、早瀬くんの運転で朝霞まで行く。
 ライトマジックさんで積む荷物は‥‥と池原美音ちゃんに聞いたら、「これだけです」とロスコマシーンを指さした。何かあるんじゃないかと思ってたのに、みんなありもので行くのね。
 てなわけで、ロングのワンボックスに、ロスコマシーンと舞台裏の養生用のパンチだけを積んで、東京に向かう。
 次は、マミーが通う、セツ・モード・セミナーから、椅子を十脚借りてくる。
 朝霞から川越街道で池袋、明治通りを通って新宿まで、そして市ヶ谷舟町まで、予想外にすいすい車が流れて、6時ジャストに椅子を全部積んでしまうことができた。
 この椅子は、初演の「オープニング・ナイト」、そして去年の「ひまわり」とお世話になってるんだけど、「とってもいい芝居をする椅子」なんだ。
 いったい、いつからあるんだろうってくらい古くて、でも、ほんとに味がある。
 「オープニング・ナイト」初演のOFF・OFFシアターの舞台に、初めて彼らを並べたときのことは忘れられない。
 今回の芸術劇場小ホール2では、どんなだろうか?
 明日が楽しみだ。
 明日は、森川くんの運転で池袋まで行ってもらう。
 9時の劇場入りで、一日仕込みだ。
 さあ、始めよう!

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 9月14日(木)

 劇場入り1日目。仕込み日。
 朝7時半過ぎ。
 森川くんが車と一緒に高円寺に来てくれる。
 ダダダダダダッ!と荷物を積んで、森川くんとマミーは車で出発。
 僕も何だか落ち着かなくて、そのまんま電車で池袋へ。
 結局、僕は8時15分に、車は8時45分に劇場に着いてしまった。
 約束の9時にみんな(ほとんど)揃って、搬入。
 丸2年ぶりの東京芸術劇場。
 一昨年は、搬入口から小ホールへの道がわからなくて、結構あちこち迷子になった。
 でも、今回はもうだいじょうぶ。
 さくさくと荷物を舞台裏(小ホール2のね)におろして、さくさくパンチカーペットを貼っていく。
 レンタカーは、早瀬くんに返しに行ってもらって、残りの面々は順調に作業を進め‥‥てたのに、ショック!!
 早瀬くんがずいぶん早く戻ってきて言うことには、「車を返そうとしたら、『なかったはずの傷がついてるので、事故証明をとってきてほしい。そうじゃないと十万円くらいかかりますよ!』って言われちゃって」と言う。
 どういうこと?
 さっきそんな傷あったっけ?
 運転してた森川くん、同乗してたマミーに聞いてもわからない。
 でも、事故証明とらなきゃ、十万円だし。でも、だいたいどこでこうなったのよ? 昨日一晩停めてた高円寺の100円パーキング? でも、あんなとこでそんな傷つく?
 レンタカー屋の言うことには、「これだけの傷だから、絶対に音がしてるはずなんですよね」。
 ロングのワンボックスの左側の後ろのドアからかなり大きな傷&へこみ。
 しばらく、こそこそと善後策を練ってたんだけど、こういうときは、やっぱりノグに相談と思って、パンチを貼ってるノグを舞台裏に読んで「こういうわけなのよ」と相談した。
 ノグは、車が大好き&元自衛官なので(関係ないか?)こういう、トラブルのときには、かなり頼りになる。
 「ちょっと見てみよう」と言って、地上に停めてある車をみんなと一緒に見に行ってくれた。
 僕は、下でパンチを貼ってたんだけど、何分かして、みんなが戻ってきて、言うことには。
 「借りるときのチェックシートに書いてあるじゃん!!」だって。
 なんでも、借りるときのチェックシートがなぜか2枚あって、そのうちの一枚が白紙。もう一枚の方には、ちゃんと傷のありかが書いてあったんだけど、返したレンタカー屋のお兄ちゃんは、その白紙の方を見て「 なかったハズ」って言ったらしい。
 マミと森川くんは、怒ってて、ノグは余裕ってかんじ。早瀬くんは、そのまんま車をも一度返しに行きました。
 これが今日最大のトラブルで、あとは、ほとんど何事もなく、仕込み日は終わったんでした。
 照明のつり込みも無事にすんだし、音響の樋口さんもとってもいい仕事をしてくれた。
 照明の鬼さんとお手伝いの女の子たちはとってもテキパキと動いてくれて、きれいな明かりをきっちり時間どおりに仕込んでってくれた。
 今回、フライングステージは初めて、緞帳とロスコっていうスモークマシーンを使うんだけど、その段取りにちょっと手間どったくらいかな?
 仕込み日一日でここまでできたっていうのは、たぶん初めてだと思う。
 とっても優秀な一日でした。
 稽古場とは全然違う大きさの舞台。
 初めはずいぶんがなり気味の声を出してた役者衆もだんだん落ち着いてきた。
 心配だった、後ろ向きの芝居もちゃんと成り立ってる!!
 芝居の後半の「小屋入りしなけりゃ、わからない」と思ってた部分がどんどん「決まって」いくのには、もう感動。
 今回初めての森川くんも驚いてた。
 東京芸術劇場小ホール2、いいヤツじゃないか!
 声の戻りもちょうどいいんだけど、これでお客さんが入ったら、どうなるかはまた別の問題なんだよね。
 明日は2回ゲネプロ。
 劇場と一緒に芝居をつくるってことの面白さを楽しんでしまおうと思ってる。
 10時に劇場を出たあと、酒部は、池袋の居酒屋で乾杯。
 さっこさんと樋口さんも参加の拡大版。
 帰りの電車でずっと一緒だった森川くんと、芝居の話を延々して帰る。
 どんなことができるんだろうね、僕達は、わくわくしてるよ、ほんとに!
 また明日!

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 9月15日(金)
 
 劇場入り2日目。
 今日は、Wキャスト分2回のゲネプロ(通しリハーサル)。
 朝9時に劇場入りして、昨日の続きのラストのチェックをしたら、2時開始の時間まで、ドーンと時間が空いてしまった。
 こんなことってあるんだ‥‥というくらい、いろんなことが大きなトラブルもなしに進んでる。
 「これは絶対、どっかに罠があるよね‥‥」とみんなで言ってるんだけど、今のところは無事。
 1回目のゲネ。高市氏バージョン。
 今回の「オープニング・ナイト」では着替えがとっても多い。
 みんな最低でも2点以上の衣装をとっかえひっかえ着てる。
 小ホールのうらはとてもゆったりしていて、楽屋も広いので、その点ではかなり楽をさせてもらってる。
 同じ芝居をOFF・OFFシアターでやれたってことに、なんだかびっくりしてしまう。贅沢な空間の使い方だ。
 ゲネは途中まで快調だったのに、後半、本当ならラスト20分で終わるところが、なぜか30分もかかってしまった。理由がわからない。ていうか、みんなたっぷりな芝居をしてしまったんだと思うけど(一番は僕なんだな、場面としては)、20分が30分ってことは「5割増し」ってこと。どうなってるんだ? これが「罠」だったのかもしれない(?)。
 2度目のゲネは、少しおして、6時30分から開始。今度は若さんバージョン。
 かなり気合いを入れてさくさくやったつもりなんだけど、それでも、まだのびてる。
 縮まったのは、10分弱。
 のびたのもすごいけど、縮まっちゃうっていうのも、どうなってるんだろう?
 やっぱり、不思議。ていうか、罠。ほんと明日は気をつけないと。
 照明、音響、舞台等々のテクニカルな面は、非常にOKなので、あとは芝居をちゃんとするだけだ。
 昼のゲネを見てくれた衣装のジャスミンさんから、照明を当てた上での衣装のダメがうんとこさ出る。
 僕は、ほとんど全取っ替えになった。新しい衣装は、水月アキラくんのものを拝借してる。感謝。
 いっこう氏の衣装は、すべてジャスミンさんの「私物」なんだけど、昼間見た後、いったんうちに帰ってまたいろいろもってきてくれた。
 夜のゲネの後、舞台上で最終の衣装の確認をしていたら、次から次といろんなものが出てくる。
 いっこう氏の衣装は、それはイカすので、どうぞお楽しみに。
 三枝嬢に急遽探してもらったバスロープ、ミシンで縫ってもらったパジャマのズボンも、プランの変更で結局、お蔵入りになってしまった。三枝嬢、ごめんね。でも、ほんとありがとう!
 今日は、どこにも寄らずにまっすぐ帰って、明日の初日に備えるかんじ。
 でも、酒部(関根、若さん、いっこう氏)は、キオスクで缶ビールを買って、ホーム飲みしたんでした。
 明日は初日。
 おいしい酒が飲めるといいな。

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 9月16日(土)

 「オープニング・ナイト」初日。
 フライングステージの初日は、これまでずっと夜の回で、まさに「オープニング・ナイト」だったんだけど、今回の初日は、昼公演14:00開始。
 10:00集合で音と照明と椅子の位置の確認。
 みんなかなり早めに集まって、楽屋でスタンバイ&舞台でアップしたりしてる。
 それでも、のんびりした初日だ。
 いつもは、やり残したことがいっぱいいっぱいあって、開演ギリギリまでいろんなことやってる。
 今回想定してた「大変な初日」のシナリオってのは、まず、前日に2回目のゲネができなくって、朝10時からやらなきゃならない、ってなもの。
 でも、このシナリオはかなりの確率で実現しちゃうんじゃないか、だからこそ、絶対にそれは回避しなきゃってことが、今回の仕込みの最大の目的だったんだよね。
 そんな最悪のケースとは真反対のとってものどかな初日の午前中を楽しんだ。どきどきしながら。
 久しぶりに舞台の上に出演者が全員集まって、劇中でもやるようなトレーニングをやってみた。
 まず、ストレッチ。
 それから、舞台の上をいろいろ歩いて、この舞台で何か気が付いたことを3つずつみんなで話していく。
 舞台袖にある不思議なモノたち。なんだかわからないバルブとか。よく見ないと気が付かないいろいろ。壁の模様。非常灯の形なんかを見つけて、それを言葉にしてってみる。
 初めてだったり久しぶりな稽古場ではよくやることなんだけど、劇場でやるのは初めて。
 でも、この劇場とできるだけ、仲良くなっておきたかんで、やってみた。
 今回の芝居は「劇場」の話だからね。
 それから、輪になって拍手を回してく。それから、しりとり。
 20分くらいそんなことをして、みんなはスタンバイに入る。
 今日は、表方のスタッフが12人も来てくれてる。
 大助かりだ。
 フライングステージは、開演前の客入れの時、劇団員がみんな出て、挨拶や、誘導をするんだけど、今日僕は、さぼらせてもらった、
 終演後にさくさく帰ってしまうお客さんとは、この開演前に「わお、いらっしゃい!」って挨拶するのが、一番いいんだけど(ほんとに)、今日は、ちょっと「それどころじゃないんで」ってことでごめんなさい。
 セリフが全部出てくるかどうか‥‥。
 それが問題だ。
 挨拶しちゃって、ノリノリになってた方が、気持ちも楽になった、経験上、いい芝居ができるってことはわかってるんだけど(僕はね)、今回は、もし「最悪の結果」になっちゃったら、二度とこの「客入れ時のご挨拶」ができなくなるんじゃないかってことが心配で‥‥。
 定時に開場。そして、5分おして開演。
 今日初めて本番で着る衣装(昨日の終わりに決まったので)の着替えにあたふたしながら、舞台裏を走り回り、大急ぎで早変わりをして、ゼーハー言いながら舞台に戻ると、ホッとして、セリフをしゃべりながら、呼吸を整える。
 僕ほどじゃないけど、みんながみんなやっぱりドキドキして盛り上がってて、なんだか「すごい」初日だった(ていうか、そんなふうにしてる僕がいるってことが、みんなのドキドキのもとだったかもしれないね)。
 昨日のタイムを大幅に縮めて、終了。
 いい舞台になったと思う。
 お客さんと、そして、この劇場に感謝だ。
 いいヤツじゃないか!!
 休憩してからの夜の部、19:00開演も、いい調子で乗り切れた。
 2時間半弱の芝居を二回やるのは、やっぱり大変なんで、さすがに疲れてしまってて、芝居の途中で「これってかなり伸びてるんじゃないかい?」って心配してたんだけど、終わってみたら、昼と同じ時間で終わってた。
 森川くんとの芝居は、やっぱり今日が初日だった!
 稽古場でやってたことはやっぱり稽古で、今日のこの舞台でやったことが本当だったんだなって思った。
 他のどの場面だってそうなはずなんだけどね。彼との芝居は特に。
 終演後、若さんへの差し入れのビールを飲んで、劇場を後にする。
 僕は、明日にそなえて、今日の酒部活動は、この缶ビール1つで終わりにしておく。
 今日の舞台を見に来てくれた人たちの中には、懐かしい人たちがいっぱいいっぱいいた。
 「オープニング・ナイト」って芝居のせいでそんな人たちともう一度会えるっていうのも、なんだかとってもうれしい。
 いい初日だった。
 で、明日は千秋楽。もう終わってしまうんだ。
 後悔のないように、ちゃんと終わろう。

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 9月17日(日)

 千秋楽。
 10時に集合して、今日もウォームアップしてから準備を始める。
 今日は、あちこち歩き回ってもらって、「この劇場のここがイカす!」と思えるところを言ってもらうっていうのをやってみる。客席のずっと上の方にあるシーリングライトのあたりのフェンスがイカすって人が多かったね(僕も含めて。いつもそんなのないから)。
 今日は、開演前にロビーに出て、ご挨拶することにした。
 懐かしい人たちに今日もたくさん会う。
 10分前に舞台裏に引っ込んで開演だ。
 マチネは高市氏バージョン。
 いいテンポで進む。
 僕と高市氏の場面のセリフがちょっと「たっぷり」だったので、合間にちょっと注意。
 「いや、千秋楽だと思ったらついたっぷりになっちゃってね‥‥」とのこと。
 そうだよね、二回しかないんだもんね。
 もう一つの長いセリフ、森川くんとの場面は音楽の長さの問題もあるんで、ここはきっちりやってくれてた。
 昨日の2回よりもずいぶん楽な気持ちで幕を下ろすことができた。
 ただ、僕は、最後の場面のセリフ「やろうよ、『ハムレット』」というところを、「やろうよ、『真夜中のパーティ』じゃないや、『ハムレット』」なんて言ってしまった。
 マチネとソワレの間、昨日は、三枝嬢からの差し入れのご飯をたんと食べてしまって、ソワレが「重たく」なってしまったので、今日は自粛。表方のスタッフのみんなと楽屋でおしゃべりして過ごす。
 ソワレの前に舞台上に全員(スタッフもキャストも)集まって、終演後のバラしの段取りの説明、そのあと、みんなで記念撮影。
 で、準備開始。
 千秋楽の客席はやっぱりとっても華やいだ気分だ。
 「ゴッホからの最後の手紙」の作者宇都宮さんが奥さんの浩子さんと一緒に来てくれた。
 彼女は、僕の高校時代からの友人で、今回出演してる若さんと一緒に芝居してた間柄。
 開演。
 「千秋楽だからって、特別なことはしません」と言っておいたように、みんなきっちりと羽目をはずすことなくいい芝居をしてってくれた。客席の反応も今夜はすごい。ウケ方もすごいし、その反対に、シリアスな場面では、息をのんで舞台を見つめてくれてるのがわかる。
 終演。幕が下りた。
 舞台上でみんなでへらへらと笑いながら(大声で笑うと客席に聞こえちゃうからね)、涙ぐんだりもしながら、抱き合って、ロビーにご挨拶に出る。
 またまたみなさんとご挨拶。終演後の挨拶は、たくさんお話しできないのが、とってももどかしい。
 なんだかお義理の挨拶になってしまってるようで‥‥
 でも、ほんとにうれしいんだよね。
 宇都宮さんとこの浩子が、もう一人の芝居仲間、マイと一緒に来てくれた。
 マイは、今京劇のプロデューサーをしてて、今日も上の中劇場で公演中だ。
 何だか、3人でわんわん泣いてしまう。
 この芝居の舞台になってる、仙道くんが初舞台を踏んだ劇場っていうのは、間違いなく、僕達3人が一緒に芝居をしてた高田馬場の東芸劇場って劇場なんだよね(若さんにも出てもらってた)。
 そんなこともあっての涙々でした。
 さあ、バラシだ‥‥!
 と思って、勢いこんで、舞台に行ったら、もう舞台上のパンチカーペットははがされちゃってて、照明のバラシが始まってた。
 舞台裏では、さっこさんと、ソワレの舞台を見てくれたサブさんと奥さんのマスミさんが、パンチをくるくる巻いててくれてる。サブさんは、現役の舞台監督さんで、やっぱり昔僕達がやってた芝居の舞監や大道具をやってもらってた人だ。感謝。
 楽屋の片づけに結構手間取りながらも、それでも、9時過ぎには、舞台上も舞台裏もあらかた片づいてしまう。
 打ち上げの会場の予約は10時からなので、楽屋で乾杯をすることにする。
 いただきもののシャンパンにビールで乾杯。
 終わった、終わった。
 居酒屋に移動しての打ち上げは、総勢30名という久しぶりな大所帯。
 みんなに大入り袋を渡して、12時過ぎに一次回は終了。
 二次会へなだれこんで、朝までコースになったんでした。

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 9月18日(月)

 昨日の続き。
 二次会の居酒屋を4時に追い出されて、さっこさんとさえぐさ嬢と鬼さんはタクシーで帰る。
 いっこう氏と山縣くんもタクシーで。
 若さんは、始発がもうじきだからと駅に向かった。
 残ったのは、森川くんとヨシオとなるみとマッスーと僕。
 どうしようか‥‥?
 芸術劇場のまわりをぷらぷら歩いて、結局、裏側の階段に座り込んで、朝までしゃべる。
 途中でなるみとヨシオは帰っていったので、残ったのは3人。
 もう朝だ。
 僕と森川くんは、9時に芸術劇場の駐車場に行って、そこから早瀬くんと一緒に車に乗って、返しがある。
 森川くんが「寝とかないともたない」と言うので(当たり前だ)、これからどうするかをマジメに考える。
 真向かいの地下にサウナがあるようなので、仮眠できるかどうか持川くんが見に行った。
 マッスーはさっきからウトウトしている。
 帰ってきた森川くんはなんだか暗い表情。
 「朝、五時からサービスタイムで1500円だって」
 だったら、さっさと行っときゃよかった!
 てなわけで、マッスーは、始発で帰ってって、僕は森川君と二人でサウナに向かった。
 朝までだらだらと過ごすはずが妙な「イベント」になったかんじだ。
 お風呂に入ってさっぱりして仮眠室で眠る。
 あ、誤解のないように言っときますけど、マジで「普通の」サウナだからね。
 8時半過ぎに起きて、駐車場に向かう。
 近所のampmで早瀬くんと会って、よし出発と思ったところで、大変なことに気が付いた。
 「アンケートがない」
 封筒に入れてた今回のアンケートがない。きっと、サウナのロッカーに入れっぱなしなんだ。
 あわてて取りに行く。
 フロントで「あのロッカーに忘れ物したんですけど‥‥」と勢いこんで説明したら、「あ、これですね」と言って、紙袋の大荷物×3(そのうち2つは森川君の)をフロントの奥から出して来てくれた。
 そうだった。入る時に、あんまりな大荷物だったんで、フロントに預けてたんだった。
 駐車場にとって返す。
 森川君に荷物を渡す。
 彼は、そのときまで何にも気が付いてなかったらしい。
 もう‥‥。
 アンケートはもちろん無事にありました。
 やっと出発。早瀬君の運転で、椎名町の鬼さんの事務所、朝霞のライトマジックと順調に車は進んで、12:30にマミーと約束してるセツモードセミナーに昼前に着いてしまいそうなくらい。
 富久町のデニーズで3人で、昼ご飯。
 セツの返しも無事に終わって、最後は、高円寺。
 荷物を全部下ろして、車はからっぽ。
 早瀬くんは、レンタカーを返しがてら帰ってって、森川君は駅に向かって歩いてった。
 僕は部屋に帰って、大変なことになってる部屋を見て、しばらくぼーっとしてたんでした。

 「オープニング・ナイト」稽古日記は、これでおしまいです。
 その後、僕は、時々むくっと起きだしながら、結局延々十五時間も寝てしまい、合間合間にメールのチェックをして、今、ようやくこの日記を書いてます。
 ご来場いただいたみなさん、それから、この日記を読んで下さったみなさん。
 もちろん、スタッフ、キャストのみなさん、どうもありがとうございました。
 僕は、早速(いよいよ)、gaku-GAY-kaiの「贋作・黒蜥蜴」の準備を始めます。
 その前には、11月の「ゴッホからの最後の手紙」。
 10月の末から11月の半ばまで札幌で稽古して、東京公演は、11月14〜15日です。
 ご来場をお待ちしてます。
 では、また。
 握手。

 せきねしんいち

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劇団フライングステージ第18回公演「オープニング・ナイト」

2000年9月16日〜17日 東京芸術劇場 小ホール2



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