「ゴッホからの最後の手紙」
「gaku-GAY-kai 2000」
日 記

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 2000年10月7日(土)
 「ゴッホからの最後の手紙」も「gaku-GAY-kai2000」も、まだちゃんとは始まってないのですが、日記がない毎日が妙に不安なので、なんとなく始めてみることにしました。
 例によって、毎日更新されるわけじゃないので、ご了承下さいね。
 今日は、夕方からフライングステージの稽古。
 まだ、「贋作・黒蜥蜴」の台本ができてないので、いつものトレーニング。
 ノグが学校でお休み。高市氏は、仕事が忙しくてお休み。マミは体調が悪くてお休み。
 急に寒くなって、風邪がはやってるかもしれない。僕もなんとなく調子が悪いかんじ。
 街を歩いてると、なんだかみんな「何でもあり」のかっこしてるのがおもしろい。Tシャツ一枚だったり、フリース着てたり。冬物への衣替えも早くしないといけないな。
 何となく始めてしまって、書くことがないので、今日は、「贋作・黒蜥蜴」のことをちょっとお話しようと思います。
 「黒蜥蜴」というお芝居をご存じでしょうか? 江戸川乱歩原作のお話を、三島由紀夫が劇化したものです。女盗賊黒蜥蜴と彼女を追う名探偵明智小五郎が繰り広げる大メロドラマ。
 タイトルロールの黒蜥蜴は、初演は、水谷八重子(初代)、そしてあの美輪明宏さんが八重子さんからのすすめで演じたというもの。他には、小川真由美や、坂東玉三郎、それに、松坂慶子(演出は玉三郎)もこの役をやってます。
 さて「贋作・黒蜥蜴」は、京マチ子主演版の映画版を元にした、僕の勝手な「贋作」です。
 映画「黒蜥蜴」は、美輪さん主演の深作欣二監督のものと京マチ子主演の井上梅次監督の2作品があります(他に、岩下志麻主演のTV版があるけど)。
 世間的には、美輪さん主演版がとっても有名&評価も高いんだけど、僕が好きなのは、絶対にマチ子版!!
 原作の三島の戯曲に限りなく忠実な新藤兼人の脚本、三島由起夫自身の手による作詞、それに黛敏郎による作曲という、豪華なスタッフ。三島&黛によるミュージカルナンバー(!)は、膝から崩れてしまいそうになるしろもの。とにかく、一度見てほしいわ。
 で、そんな「名曲」の数々をリップシンクで取り込んでしまおうというのが、企画の第一。
 それから、も一つ。
 どこかで美輪さんが、「私たちはニセモノだから、舞台の上だけではホンモノを身につけないとね」と言ってたんだけども、僕は「そんなのやだな」と思ってるんです。ニセモノのどこがわるいのよって。
 で、今回の「黒蜥蜴」は、そんな美輪さんの言葉に対する僕の返事です。
 「贋作・黒蜥蜴」の黒蜥蜴は、「ニセモノで美しいもの」しか集めない。そんな「女盗賊」にしたいと思ってます。
 配役は、黒蜥蜴を私関根が、そして明智小五郎を、「オープニング・ナイト」に出演してもらった森川佳紀さんにお願いしています。他には、フライングステージ総出演でお送りします。
 どうぞご期待くださいね。
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 10月12日(木)
 「宇宙ショー」の2回目の稽古。
 池尻大橋からとってもとっても歩く稽古場。
 ほんの出来心で渋谷から歩き始めてしまって、途中で「上り坂ばっかりじゃない‥‥?」と気が付いたんだけども、もう遅いってかんじ。いい運動になりました。
 「宇宙ショー」は、正式には「宇宙グランドロマン『お星様になったリリイ』」ってタイトル。
 絶対王様の郡司くんが構成・演出・主演をつとめるイカしたレビュー!!
 もともとは、今年の春にグローブ座で上演された絶対王様公演「ワニの涙の症候群」の劇中で上演されたもの。つぶれそうなプラネタリウムを建て直すために、プラネタ職員の保くん(郡司くんの役)が企画する「宇宙ショー」。本編とほとんど関係ないじゃない?ってなレビューなんだけど、本編と関係なく、とっても突っ走ってて、その疾走感はたまらなかった!!
 物語は、ほとんど「肉体の門」。
 恋人を学徒出陣で失った小百合ちゃんが、空腹のあまり戦後のヤミ市でイモを盗んでしまう。イモ屋のオヤジに打擲されていた彼女を救ったのは、通りかかったパンパン。そして小百合ちゃんはパンパン「リリイ」としてどんどんノシ上がっていく‥‥というお話。
 これを、リムスキー・コルサコフ「シェヘラザード」に乗って繰り広げちゃう!!
 今日の稽古は、こないだのオープニングのおさらい。小百合ちゃんがパンパンになるところまでをまず確認。それから、続いて、リリイがノシ上がっていくようすを描く数場面。
 僕たちフライングステージは、去年のgaku-GAY-kaiでも、郡司くんの構成・演出で「俺たち」っていうショーをやってるんだけども(これは「ミツバチハッチ」のテーマにのって、一人のイカス男を女たちが取り合うっていう話、だったよね?)、ほんとに緻密に振りがつけてあってびっくり。
 今回は、最初の稽古のときに、「スコア(総譜)」を渡されて、譜面を追いながら音楽を何度も何度も聴いた。譜面の上には、それぞれの役が何をするかっていうことが、「カウント入り」で書いてあって、ダンス演技まで含めた「スコア」になってる。これってすごいことだと思う。
 郡司くんは、絶対王様での初演(今回が再演ってわけなので)の前、稽古が始まる前に、曲をひたすら聴いて、頭の中ですっかり全部の振りをつけて、それをスコアに書いて、みんなに配ったんだって。現場主義の僕には、むちゃくちゃ遠い仕事ぶりだわ。
 振り付けもとっても細かくって、なおかつ、彼は(みんな知ってると思うけど)実にいい「見せ方」を知ってる。さすが「ヅカ」で育った人は違うってかんじ。
 ヒロポンを打って恋人の幻を見るリリイ。パンパン仲間からリンチされるリリイ。それでも、結局勝ち残っていくリリイ!!
 もうやってて楽しいのなんのって。いつもの芝居の稽古とは違うところをとぎすまして、何かをやってるって感じが、とっても新鮮。
 続きが楽しみなんだけども、僕は札幌に行ってしまうので、この宇宙ショーの稽古には、しばらく参加できない。でも、ここまでなんとか辿りつけて、ちょっとほっとしてるかんじかな?
 帰ってきて、「ジオラマ・マンボ・ガールズ」仲間のマルゴリータ奈須さんから電話が。
 こっちのユニットの準備も、そろそろ始めないといけないんだけども、なかなか話ができなくていて、ようやく打ち合わせのだんどりをつける。
 「ジオラマ・マンボ・ガールズ」は3人組のリップシンクのドラァグユニットなんだけども、年に1回、gaku-GAY-kaiでしか、ショーをやらない。
 どんなものをやるかっていうと‥‥、まあ、見てもらうのが一番早いんだけれども、一言で言えば「安い」ってことかな?
 選曲とか振りとか、あらゆるものが「安い」っていうか、こういうのは他にないでしょう?ってかんじ。
 レパートリーは、「こんなべっぴん見たことない」(神楽坂はん子)、「三味線フラフープ」(神楽坂浮子)、「ヘイジーポート長崎」(原田糸子)、「遊びすぎた日曜日」(はつみ&ひとみ)‥‥って書いても誰もわからないよね?
 去年は、フラフープの入ったドレス(!)で「南京玉すだれ」をやったって言ったら、大体のイメージは浮かんでくるかな?(こないって‥‥)。
 今年のテーマは「新体操」ということにしました。シドニーもあったしね。
 奈須さんが「新体操用のリボンを買ってしまいました」って言うのでそれも見せてもらわないと。マリ・アンヌが唄う「レナウン娘」も聞いてみないと。
 書けば書くほど、遠くなってしまいそうなので、もうやめますね。
 じゃ、今日はこのへんで。
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