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- 11月1日(水)
- 今日は稽古が休み。
昨日の夜から雨が降って、夜中はしっとりしたいい陽気だったんですが、今朝起きてみたら、寒いのなんのって!!
一日部屋でのんびりDM書いたりしようかなと思ってたんですが、夕方から札幌ミーティングの竹村くんと会う約束があるんで、その前に、ちょこっとインターネットカフェに来て、メールのチェックや、お気に入りのサイトをのぞいたりしてます。
- で、今日は「稽古日記」はないんですが、どうでもいいことをつらつらと書いてみましょうかね。
昨日の稽古場で看護婦役の吉田さんが、「週刊朝日百科『世界の文学』42 名作への招待」って本を持ってきてたんです。
これって、新聞と一緒に毎週(?)配達される半端な大きさの、全部そろえると百科事典!!ってのが売りの薄っぺらいオールカラーな本。
で、彼女が持ってきた号が「欲望という名の電車」特集。正確には世界の地域ごとに文学を論じてるんで、「南北アメリカ2」ってやつ。作者としては、テネシー・ウィリアムズ、アーサー・ミラーといった人が上げられてるし、作品としては「欲望・・」のほかに「セールスマンの死」「キャッツ」「ウェスト・サイド再度物語」なんて!!
その場でぱらぱら見せてもらって、帰りに本屋で即ゲットしたんだけど、これはちょっと「お買い得」な本だった。
とにかくグラビアがとっても多い。大体、表紙が「欲望・・」の初演の舞台写真だし!
若き日のマーロン・ブランドに、ジェシカ・タンディ、キム・ハンターよ!
これだけでも飾っておきたいくらいいい写真なの。
それと中身。この号は、言ってみれば、「現代アメリカ演劇」の特集なんだけど、ユージーン・オニールからニール・サイモンまで、ひととおりの作家たちがちゃんと取り上げられてる。
中でも、嬉しいのは、「アメリカのゲイ演劇」って項目がちゃんとあるってこと。
- 「トーチソングトリロジー」のハーヴェィ・ファイアスティーンや、「エンジェルスインアメリカ」のトニー・クシュナー。それに「ノーマル・ハート」のラリー・クレーマーもちゃんと紹介されてる(「平常心」なんて変に訳されてるけど)。
「真夜中のパーティ」もキャストの写真がどーんと載っててね、「登場人物の描き方がまだ類型から脱していない等の批判もあるが、ゲイ演劇の歴史を変えた意義は大きい」ってあるの。
ね、ちゃんとしてるでしょ?
テネシー・ウィリアムズのページでも、彼がゲイだってことを「はっきり」書いた上で、作品を論じてるし、ほんとすがすがしいわ。
5月ごろに出てる本なんだけど、バックナンバーがどこにでもあるはずだから一度見てみて。
写真では、久しぶりに見るハーヴェィ・ファイアスティーンがすっごい「おじさん」になっててショック。あと、「欲望・・・」のキム・ハンターとマーロン・ブランドの2ショットのきれいな写真がイカしてます。
この本を持ってきてくれた吉田さんは、文学座で内野聖陽くんと同期だったんだって。
僕は、こないだ新国立で彼がやってる『欲望という名の電車』のスタンレーを見てきたんで、なんだかんだといろんなおしゃべりをしました(感想はアップしないけど、内野くんの鍛えちゃった体は見ものでした。とっても男くさいし!)。
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- 11月2日(木)
- 今日から、稽古場に演出の本間さんと歩さんが帰ってくる。
一昨日までの「自主稽古」が、これからの稽古にどう生きてくるのか、ドキドキ、ワクワク。
頭からの転換段取りと、ミザンセーヌ(立ち位置と動き)を確認しながら、順にやってってみる。
2場のゴッホとのやりとり。さっそく、「やりとりしてない」というダメが出る。
- 一昨日までの過剰につくりこんできたものを、一気に抑えようとした結果、淡々となぞる芝居になってた。
演出からの「説明してしまわない」「やりとりだけをちゃんとする」ってことを、やってくのは、むちゃくちゃ難しい。
「ゴッホにあわせて」と言われたので、途中から、かなりのびのびとやってしまうことにした。
楽になる。
自分では全然わからないけど、できてるみたいだ。
この「わからないかんじ」がとっても不安なんだけど、今日、稽古をしているうちに、だんだん開き直れたような気がする。
どういうふうに舞台にいればいいのかがわかったみたいな。
いかたといえば、今日は、舞台にいるのがとても楽になった日だった。
稽古の前に、それまで横長に使ってた稽古場を、縦長に使うように変更したんだけど、そのせいで、間口がぐんとせまくなった分、客席(演出席)を含めた奥行きがものすごく感じられるようになった。
楽になったっていうのは、どう言ったらいいんだろう? 空間の押さえ方として、「目に見えてるところはだいじょぶ」ってのがまあ僕的には普通ないかたなんだけど、今日は、「見えてない自分の後ろまで含めて360度だいじょぶ」なかんじだったんだ。
オープニングのミザンスが変わって、まず、僕がろうそくを持って登場。そのろうそくを椅子の上に置いて、ゴッホの椅子とキャンバスを見てるところに「ゴッホが入ってくる」ようになった。
あとで、ゴッホの山野さんとも話したんだけど、この変更のせいで「テオが見ているゴッホ」っていうイメージと世界観(この芝居のね)がしっかり立ち上がってしまった。
つまり、テオがこの空間を作りだしてるみたいな、そんな始まり方になったんだ。
- で、ずいぶん楽になりました。
心配だった4場の朗読も、6場の立ち回りも、こまかく作るのはまた明日なんだけど、微妙に2場のテオからのつながりでつくることができてたみたいだ(これも、自分ではわからないんだけど)。
とりあえず、2場の稽古の途中で歩さんから「テオのキャラ、ずいぶんよくなってるんじゃないか」というコメントがうれしくってね。
その「よいしょ」のせいで、楽にできたのかもしれない。
さあ、これが定着するかどうか、それが問題だ。
同じ事しようとしてなぞってもいけないし、外してしまってもいけないし(あたりまえだ)。
難しい。
難しいけど、面白い。
さあ、明日はどうなるか。これから何回浮かんで、何回沈むか?
覚悟して、いろいろやってみようと思う。
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- 11月3日(金)
- 今日は、稽古の前のアップの時間に、歩さん直伝のマッサージ(?)をしてみる。
- 二人一組になって、立っている相手の体をひたすらもみほぐしていく。
リラクゼーションはだいたい、自分の内側に向かっていってしまうのだけれど、今日はポイントは、相手と同じ息をすることだそう。歩さんは、TPTのワークショップでこれをやったと言っていた。
僕の相手は、堂下さん。ただ、マッサージするだけなんだけど、けっこうな汗をかく。
ずっと稽古している相手なのに、実は、こんなに「さわる」のは初めてだ。
野口体操ともちょっと違う、不思議なやりとりがおもしろかった。
ていうか、やっぱり、人にさわったりさわられたりするのは、気持ちがいいし、ほっとする。
で、稽古は、後半を中心に。
僕は、6場の「ナイフ」を持つやりとりが中心。
今日も、昨日からの続きで、とっても稽古場にいやすい。はじめにやったマッサージのせいもあるんだろうけどね。
初演の時の段取りを基本的におさえながら、「向かっていかない」つくりになった。
ナイフを構える「形」じゃなく、ただナイフを持てば、みんなは身を引くはずだとか、そんなふうな「やらない」芝居を今日もいろいろやってみる。
とても新鮮だ。
ただ、どう見えてるのかが全然わからない。
そのへんは演出の本間さんにゆだねてしまう。
続きは、明日。
6場を細かく作っていくことになりそうだ。
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- 11月4日(土)
- 今日もマッサージから始まる。
今日、僕の相手は歩さん。
でっかくてびっくりする。ていうか、どきどきする。
歩さんの身長は180を超えてる。僕が今まで芝居した人たちの中で一番大きい。
でも、小学生の頃は、一番小さくて、ちゃんと前へならえ!をしたことがなかったそう。
大きくなったのは、高校に入ってからなんだって。
今日、堂下さんは、夕方から稽古場入り。
北海道の実家のお父様がゆうべ亡くなられて、昨日からお通夜と告別式に行って、焼き場には顔を出さないで戻ってくるとのこと。
僕も、この夏に父を亡くした。「オープニング・ナイト」の顔合わせの日が告別式だった。
「役者は親の死に目には会えない」ってなことはじゅうぶん覚悟していて、堂下さんも、このあいだの稽古が休みの日に、行って会って来たそうだ。
僕も、死に目には会えなかったけれども、ちゃんと「挨拶」はできた気がしている。
そのうちゆっくりそんなことのいろいろを堂下さんと話してみたいと思う。
稽古の話でした。
仕事で遅くなる滝沢さんを待って、それまで2場の小返し稽古をする。
今日は、本間さんから「そんなに見ないでいい」というダメをもらう。
相手役をじっと見てしまうくせが僕にはある。
自分に向かって話し掛けられてる限りは、よほどのことがなければ、話してる相手の顔を見てしまう。
「それが関根くんのくせなんだと思うけど」と本間さんは言ってくれる。
そのとおりなんです。
で、今日は「見ない」で聞いてる芝居をしてみるようこころがける。
難しい。
いろいろやってまたもらったダメ。
「相手を見てないんだけど、結局、どこかをじっと見ちゃってるんだよね」
そのとおり。
相手を見ないで、たとえば、床をじっと見てしまってる。
そうじゃないのに。
どこも見てないって時がふだんはいくらでもあるのに、芝居になるとできない。
本間さんに言われることはむちゃくちゃよくわかる。
なのに、いざやってみると、できない。
この不器用者!!
このごろ、なんとか舞台に「いられる」ようになったと思ってたんだけど、その「いかた」も相手を見るってことで成り立ってる、とっても「相対的」なものだったんだと気が付く。
「絶対的」ないかたをしてていいはずなんだ、このテオって役は。
いろいろやってみるけど、今度は「どこも見てない」イッちゃった人になってしまうし・・・
堂下さんと滝沢さんが来て、今回はじめて通してみることになった。
西田さんも今日から稽古に参加だ。
全員そろった。
で、通した結果は・・・
本間さんからのダメ出しが明日の稽古でということになったんで、よくわかりません(ゴメン)。「演出の問題だと思うんで、ちょっと考えてきます」と言ってた。
タイムは1時間50分。
何もしない、説明しない芝居、プラス見ないってことを、心がけてたんだけど、視線をはずすってことが、どんどん「何か」になってっちゃってそうで、むちゃくちゃ心配しながら、芝居してた。
明日のダメだしが楽しみなような、こわいような。
でも、稽古場ではいっくら恥をかいたっていいんだ。今回はいつも以上にそう思えてる。
とにかく、稽古は楽しい。
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- 11月5日(日)
- 昨日の通しのダメだしから。
今日は通しはなしで、細かい場面をつくってった。
昨日の通しは、おおむねよくできてたそうだ。
照明の熊倉さんと、美術の高田さんが来てくれた。
で、今日の僕は、支配人とのからみが中心。
堂下さんと、なかなか息が合わなくて、なんともうまくいかない。
「息」っていうのは、人によって全然違うもんなんだ。
今回僕が一緒に芝居してる山野さんと歩さんなんてもう全然違う。
きっと僕だってね。
だから、おもしろいんだと思うんだ、芝居って。
で、堂下さんは、ものすごく丁寧に芝居をつくってく人で、僕が何の気なしにしたしぐさが気になるとそこでとまってしまう。
言われてみるとたしかに、僕のやってることは「ちょっと違うかも」ってなことなんだけど、そんなこと気にしないで「いろいろやってみる」って方向に開いてたせいで(同時に「何もしない」ってこともあるんだけども)、僕はけっこう戸惑ってしまった。
ラスト6場のナイフの場面では、ナイフをはじめから「凶器」として持っちゃってるよね、とのダメが。
そうじゃなくやるにはどうしたらいいんだろう?
あと、全部の場面で、相手を見ないということを、また言われた。
意識してやってたつもりなんだけど、「もっと」ってこと。
逆に「見ない」ってことが説明してしまってないか心配だったんだけど、そのへんでだいじょぶだそう。
でも、この方向に走ってってしまうと、絶対に「目で芝居する」ようになってってしまうので、ちょっと気をつけながら、舞台の上で楽に「知らん顔」して聞いてるいかたをもっと探ってってみようと思う。
あ、昨日の日記の訂正を・・・
僕の父が死んだのは、顔合わせの前日でした。忘れてるなんてひどいね。で、翌日がお通夜だったんでした。おわびして訂正します(誰に?)。
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- 11月6日(月)
- 今日は2時から通し稽古だ。
1時に集まって、マッサージからはじめる。
僕は、堂下さんと二人組。
本間さんが気を使ってくれたんだと思う。
僕ははじめ結構緊張してたと思う。
絶対に内向しないで、相手と交流してなきゃいけないマッサージなのに、緊張してる自分に気づいてしまってからは、なんだかどんどん「これじゃいけない」って内省してしまって、あわてて、堂下さんとやりとりするように気持ちを切り替えた。
それからいくつかシアターゲームをしてから、通した。
今日は、照明の熊倉さんと音響の百瀬さんが見ててくれる。
オープニングのろうそくの段取りが変わったのに少しとまどいながらも、2場はなんとか「何もしないで」通過。
4場の朗読も、昨日「テオが自分でおもしろがってるって発見があったのはいいけど、やっぱり、読んで聞かせてほしい」と言われたので、今日は「お話するテオ」になった(昨日の芝居がどんなだったかは想像してね)。
僕はこの場面で「泣いた赤鬼」のお話をほとんど全部する。
でも、実はあんまりこの場面の稽古はしたくない。
テオが「初めて見た本を読んで聞かせてる」ってあたりを大事にしたいのでね。
それにテオは「読み手」としてプロなわけでもないから、そんなに上手に読んでしまうのもどうかと思って。
ほんとは、きちんと練習して、その上で「素人っぽく」やってくのが筋なのかもしれないけど、僕は初演のときにそこそこ練習してるって自負もあるんで、今回は、毎回の稽古のたびにどんなふうに読むのか、そのときまで全然わからない。だから毎回違うお話みたいだ。でも、とっても楽しい。
6場のナイフの段取りは、今日もなんとなくしっくりこない。明日こまかくもう一度やってみよう。
通しの後で、本間さんから、「この芝居の骨格はできてます。色艶もだいじょぶ。あとは『きめ』をこまかくしてけばいいと思います」と言ってもらう。
きめをこまかくしていく。
これまでやってきたいろんな作業とはまた違ったことだ。
そういえば、今回は、いろんなことを同時にいくつもやってる気がするな。
初演の時は、とっても「まっしぐら」だったんだけど、今回はどこかそうじゃない。
別に「熱くない」ってわけじゃないんだけど、いろんなことがいくつも同時にできるだけの余裕がある体でいるっていったらいいんだろうか(僕の話ですが)。
何もしてないんだけど、ちゃんとやりとりはしてる。集中してるんだけど、リラックスしてる。そんなアンビバレントないろいろが、今僕の体の中では不思議な共存のしかたをしてる。
稽古場でのいかたが変わったことが大きいのかもしれないし、その第一歩は自主稽古の時にやった「送る」エチュードだったかもしれない。
みんなでやるマッサージも大きいだろうな。今日の堂下さんとの芝居はだってむちゃくちゃ楽だったもん。
もっと楽になれる、そんな予感がしてる。
もっともっとだ。
そのへんをさぐってくこのところの稽古は、なんだかむちゃくちゃ楽しい。
緊張で胃が痛くなるような、僕が昔若かったころにやってた芝居の作り方とは真反対。
でも、やらなきゃいけないことがいっぱいあって、どうしよう!!ってな「いっぱいいっぱいなかんじ」はおんなじなんだよね。ま、いっぱいの質は全然違うんだけども。
フライングステージではいつもやってることが、AGSではできてなかったってことだけなの?って気もちょっとしてるんだけど・・・。だって、うちの芝居してるときは、僕むちゃくちゃ楽な体でいると思うんで。それって「内弁慶」ってこと? 違うか?
今日の最後は、舞台監督のずきさんと一緒に転換のだんどり。
音の長さを確認しながら、出てくタイミングを決めてった。
この芝居の一番最後は、僕のセリフなんだけど、そのだんどりがとりあえず決まった。
舞台の一番奥から、正面まで7間の距離をまっすぐに歩いてくる。
7間っていうのは、約13m。
パブリックシアターの舞台の一番奥から、張り出した舞台のほとんど一番前までを、歩く。
むちゃくちゃ大変そうだけど、やりがいがある。どんなふうになるんだろう。
とりあえずわくわくしてる。ちゃんと歩けるといいな。
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- 11月7日(火)
- 今日は、1時集合で、マッサージからはじめる。
今日、僕のパートナーは、本間さん。
「腕の筋肉がすっきりしてる」と言われて照れる。
「他がぽちゃぽちゃしてるので・・・」なんてところから、おしゃべりしながらマッサージ。
その後、車を運転するゲーム。
二人組みになって、1人が車、1人が運転手になる。
車になった人は目をとじたまま、運転手の人の指示のとおりに歩いていく。
運転手は、車の(人の)背中に手を当てて、まっすぐ当てると直進、両手で肩を押さえるとストップ、背中に手をあてたまま、もう一方の手で肩にふれると、触れられた肩の方に曲がっていく。
おもしろかったよ。
あちこちで相性のよしあしが判明。
僕はわりと誰とでもだいじょぶなんだけども、宮田さんと滝沢さんはかなり「相性が悪い」かんじだった。
目を閉じて、自分の背中に手を当ててくれてる人だけを頼りに歩いてくのは、ドキドキするけど、途中でふっと気持ちがとっても楽になる。まかせてしまえる瞬間っていうのかな。
うちでもちょっとやってみようと思う。
で、稽古。
頭から、昨日言われた「きめ」を細かくしていく作業(「きめ」ってよくわからないね。漢字だとどう書くんだろう。当て字で「肌目」だったっけ?変換じゃ出ないけども)。
僕は、オープニングの芝居をさくさく始めることから始まって、「いい気持ちになって説明しないこと」を重点的に言われた気がする。
6場のナイフの段取り。
「ただナイフを持っただけで緊張感は生れるから」と言われる。
この頃、本間さんは「関根さんは演出してるからわかると思うけど・・」という言い方を時々してくれる。
こういう言われ方は、実際、すごくよくわかる。
ただ、それができるかどうかは別としてね。
結果、ナイフの段取りは、まだまだ「いろいろやれそう!!」な楽しみな場面になった。
支配人役の堂下さんとのやり取りも、今日はとっても楽チンで楽しい。
で、照明の熊倉さんと舞監のずきさんが来て、6時から通した。
で、今日の通しは・・・・
本間さんは、「今日の山野さんはとってもよかった」とのこと。
うん、たしかによかった。僕も袖で見ててついほろっとしたもんね。特に5場。
終わって、山野さんに話したらば、「いつもと違うことしたからね」と言ってた。
- 本間さんからその他についての総評は、「相手役の調子が悪かったら、自分ひとりでがんばってしまわないで、そんな相手役のせりふを聞いて、ちゃんとやりとりしてって下さい。1人でがんばっても絶対によくなんかなりません」とのこと。
テオもとてもよくなかったそうだ。
まさに、1人でがんばってたかんじ(なんだと思う)。
今日、ゴッホ役の歩さんは、なんだか疲れてて、途中で1度、来年の舞台のプレゼンに出かけて戻ってからは、特にいつもと違うかんじだった。
セリフのとちりもそうだけども、妙にみんなで芝居しながら「笑って」しまっていて。
僕は2場からなんだか心もとなくて、1人でがんばってしまっていた。
「何もしない」で「やりとりする」ってことにがんばってしまって、結局、そこには相手役がいなくなってたんだと思う。
6場のナイフの段取りも、やっぱり「やってやろう」としてたもんね。
難しいわ。
でも、だいじょぶ。
前だったら、かなり落ち込んでたかもしれない「よくなかった」っていうダメだって、今回は全然平気。
明日がんばる。本番でがんばる(あ、ちょっと無責任?)から。
今日は、衣装の黄金(きがね)さんが見にきてくれる。
久し振りだ。懐かしい!
明日は「みんな疲れてるみたい」ということで、17:00からダメだし、18:30から通しになった。
すっごい助かる。
原稿の締め切りがいくつもあって、実は「どうしよう!!」ってなかんじの今日明日だったんだ。
やることやって(ていうか、原稿仕上げて)、すっきりして、明日はリフレッシュして、もう一度通し稽古にチャレンジだね。
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- 11月8日(水)
- 昨日のつづき。
稽古の後、夜中になってから(?)すすきのに出る。
まずは、ゆうこさんの「ar(えーあーる)」へ。
ゆうこさんは札幌のパレードで大活躍のとってもいかしたオネエさま。
でも、ゆうこさんはこのごろ体調が悪くて週末しか入ってないそう。
一杯飲んで少しおしゃべりして次へ。
で、次が、今晩の本命「HEARTY@CAFE」へ。
「GAY WALKER」のインタビューということで、テープレコーダーを持って、ついでにいろいろおしゃべりも。
ママのケンタとは、もう何年の付き合いになるんだろう?
こないだの竹村くんもそうだけど、こうして「さし」で話すのは、ほんとに初めて。
びっくりするような話をいっぱい聞かせてもらう。
ケンタは、「HSA札幌ミーティング」っていうセクシャルマイノリティの自助グループの活動もしてて、そんな「リブガマ」な話も楽しかった。
ほんと「あんたイカスわ!!」ってかんじ。
なかなかディープな夜を満喫。なにしろ翌日(今日)の稽古が17:00からなんでね。
で、今日の稽古。
小返しでは、細かく細かくいろんなことを確認していく。
単純に声の大きさを変えるとか、セリフのどの部分を立てるかとかね。
4場の朗読の途中で、ちゃんと本を閉じようとか。ま、いちいち書いてもしょうがないんだけど。
今日は、照明の熊倉さんに舞監のずきさんに音響の百瀬さんがいてくれて、とにかく「転換」の段取りを確認するところから始める。
僕は、こういう転換稽古って大好きなんだ実は。
「みんなでやってる」ってかんじがするじゃない?
熊倉さんは、暗転の秒数を計りながら、本番の舞台では美術の高田さんが担当する転換を率先してやってってくれる。
出はけの袖が違うと、きっかけがわからないので、そんな「Qだし」の確認もする。
僕は、5場のメット役の西田さんが袖にはいったのを確認してから、いすを二つ抱えてすぐに出てく山野さんに「Qだし」をすることになった。
逆に、6場では、僕は出の前に堂下さんからQをもらう。
で、通した。
かんじはどうだったかな?
僕はナイフの段取りがうまくいかなくて(また!!)ちょっとブルーだった。
でも、芝居してるってことがむちゃくちゃ楽しかった。
ちゃんとやりとりするってこととかね。
稽古の後、山野さん、本間さん、永利さんと西24丁目の「楽屋」っていう飲み屋さんでごはん。
僕は、今回みんなと外で飲むのは初めて。
「いつもすぐ帰っちゃうから・・」といわれてたことを知る。
ごめんね。
なんか、芝居でいっぱいいっぱいで、みんなと飲んじゃうってことが実はしんどかったんです、稽古の初めの頃は。
だんだん楽しくなった頃には、なんだかんだと「用事」ができてしまって・・・(主に、DMや原稿書きなんだけども、そのわりには進まなかった)。
で、晴れて「初飲み!!」
とってもいいかんじのお店だったよ。店内にはいろんな舞台の写真がかざってあって。
湯豆腐の豆腐がおいしかったな。
で、帰り道、本間さんを家の前でおろして、その後(みんな、山野さんの車に乗っかってたの)山野さんが「俺、まだ、2、3軒行けるぞ」と言い出し、そのまんますすきのへ。
駐車場に車をとめて、つれてってもらったのは、山野さんがもう十何年もつきあいがあるっていう板さんがいるお寿司屋さん。
僕は、今回「初寿司」だ!!!
しかも、「回転」じゃないし。
で、ごちそうになったお寿司は、ほんとにおいしかった。
晩御飯食べた後なわけなんだけど、つまみで出てくる貝や魚の刺身がどんどん食べられる。
ふだんだって、そう食べないようなものまで(好き嫌いがあるから)、みんななんておいしいの!!
僕はまるで、ボキャブラリーの少ない「下手な」レポーターみたいに、「おいしい!!」って言葉だけを繰り返し、となりに座ってる山野さんは、板さんとおしゃべりしながら、僕にネタの解説をしてくれてた。
北海道のさかなってやっぱり東京とは全然種類が違うんだね。永利さんからもいろんな話を聞く。
帰りは「俺、まだジンギスカン食えるぞ」と言う山野さんに、「思い出を大事にしたいので、もう帰らせてください」とお願いして、ホテルまで送ってもらう。
何日か前に、永利さんと二人で来た時は、ほんとにジンギスカンに寄ったんだって(永利さんは記憶がないって言ってたけど)。
ほんとごちそうさまでした!!
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- 11月9日(木)
- 今日は13:00から稽古開始。
まずは、みんなでマッサージ。
今日、僕のパートナーは滝沢さん。もまれてると指がどんどんツボに入って、ほんとにマッサージ受けてるみたいに、僕は「あー」とか「うー」とか言いつづけてた。
- 続いて、「粘土」っていうゲームを。
二人組で、相手の身体を自分の思うような形にどんどん作り変えていく。
会話はいっさいなし。
ムリな姿勢にはしないで、ダイナミックに動かしてくっていうことで、立ってる姿勢から一回寝転がって、もう一度立ち上がるってことをやってみる。
2組に分かれて、一回ずつ見たんだけど、永利さんと吉田さんの組が一度寝てしまったら、どうしても立ち上がれなくなってしまって、みんな爆笑だった。
5月の初演の時は、スタッフの若い子たちもたくさんいて、僕らは芝居だけをしてればよかった。
でも、今回は東京公演ってことで、人数をなるたけ少なくしないといけない。
だから、ほんとに最低限の人数で芝居をつくってる。
道具の管理はもちろん、舞台の転換だって。
でも、そんな「小さなチーム」なせいか、ものすごくアットホームな雰囲気ができあがってるんだよね。
このごろずっとやってるマッサージのせいもあると思うけど、一人一人が稽古場にいる時の「距離」がとっても近くなってる。
ほら、ふだんって「ここから先にはちかづかない」って距離が決まってるじゃない。
そんな「距離」がこのごろどんどこ縮まってる。
不思議なかんじだ。この「まとまってるかんじ」はね。
あたまから小返しをしながら、おわりまで昨日のダメの確認をしていく。
僕は、オープニングの登場としゃべり始める芝居のタイミングがずいぶん変わった。
まだ、ちょっとなじまなくて、毎回違ってしまいそうだけど、それもよしだと開きなおって、これから何日かさぐってこうと思う。
ナイフの段取りは「感情だけで動かないように」と言われる。
そのとおりです。
気持ちよくやってしまわないようにしないと。
休憩のあと、通した。
今日の通しはどうだったんだろうか?
転換がむちゃくちゃスムーズに流れて、気持ちがいい。
歩さんのゴーギャンの「自然体」なかんじ、ゴッホの山野さんが今日はとってもかわいかった。
ルーランの滝沢さんの衣装が初演と変わったんで、宮田さんはボタンつけ。永利さんは、初演でかぶってた帽子を「墨汁」で黒く染める作業をしてる。吉田さんは、堂下さんのズボンのスソを直してる。あ、山野さんはルーランが持ってくる郵便物の束をこさえてたし、堂下さんのベストのボタン位置を動かして、えりぐりを狭くするなんて、細かい仕事をしてる。
人のことなのに。
あと稽古場での通しは3回。
明日は衣装小道具みんなありの稽古だ。
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- 11月10日(金)
- 今日も1時集合で、昨日のダメだし。
こまかいところを確認していく。
2場のテオについて、「ゴッホに寄り添わないように」と言われる。
稽古の初めの頃には、何よりも一番気をつけてたことなのに、だんだん稽古が進むにつれて、「やりとり」することがメインになってって、いつのまにか「寄り添う」テオになってってた。
ポイントポイントを「しっかり」しゃべっていくように気をつける。
全然違う芝居になった。
自分でもびっくりする。
ゴッホの山野さんとのやりとりもとっても新鮮だ。
「なぞる芝居」じゃなくて、きっちりやりとりできてる実感がある。
あたりまえだ。こんな芝居したことないんだから。
で、むちゃくちゃおもしろかった(僕は)。
変な言い方でうまく伝わらないかもしれないけど、今日のテオは「背が高くなった」気がする。
ゴッホに向かう時の視線があがったのかもしれないし(今考えるとね)、座っててもなんだかゴッホよりも「大きく」いる自分が感じられた。
一度返したあとで、歩さんに「すっごいよくなった」とほめてもらう。
僕も、これだったのねと、素直にうれしい!
本間さんから、2場のテオの気持ちの流れをもう一度説明されて「初めて」腑に落ちる(ごめん)。
やっててもほんとすっきりした。
音響の百瀬さんを待って、通したんだけど、そのときもその感覚はかわらなかった。
わかったよ!! この芝居のテオって人がね(今ごろかい!!)。
今日は、衣装小道具みんなありありの稽古。
明日の稽古は、小道具をトラックに積んでしまった後なので、何もないから、稽古らしい稽古はこれが最後だ。
みんなで衣装をつけて、久しぶりに再会したかんじ。
ルーランの滝沢さんは、古いガクランを細工した衣装に今回は変更。なつかしいひげをつけたら、初演とは全然違うけど、とってもいかす「ルーラン」になった。
オープニングから、僕はなんだか楽しくって、うれしくってしかたなかった。
本間さんの奥さんが見に来てくれてて、ひさしぶりにお客さんを前にしてるってかんじもプラスしたかもしれない。
みんなもいいかんじに力が抜けててね、2場の山野さんとのやりとりも楽しかった。
こんなに納得しながら、この場面で気持ちよく芝居できたのは、初めてだ。
山野さんもセリフをかんだり、怪しい「小芝居」をしたりして、楽しそうにしてる。
相手役が楽しそうにしててくれるときって、ほっとする。
少なくとも、自分がちゃんと「渡して」ってるってことがわかるから。
4場の朗読の場面。
実は、このときの本を稽古の段階でひざの上に置くってことになって、小さな字で書いてあるから、僕はとってもみづらいので、稽古のときはめがねをかけてた。
今日は、めがねなしで読んでみる。
大体覚えてるんだけど、覚えてることを読んでくのって、やっぱり目に入ったものを声にするってこととは全然違うんだね。ていうか、目にはほとんど見えてないんで。
4場で一度だけ、山野さんと視線をあわせるところがある。
客席からは絶対に見えない芝居なんだけど、ここが僕にはすごく大事だ。
4場が終わって、5場を見ながら、ふと、4場であのやりとりがあったあと、もう舞台上では二人は出会わないんだってことに気が付いてしまって、びっくりする。
いまさらなによ?ってかんじなんだけどね。ショックだった。
6場のナイフのだんどりも今日はうまくいって(小返しをちゃんとしたので)、気持ちよく終わることができた。
通しのあと、明日のトラックへの荷積みの準備をする。
そのあとで、ダメだし。細かい点をもう一度確認。
で、僕はTPSの研修科の舞台を見にいった。
山野さんの車に乗っけてもらって、滝沢さんと堂下さんと4人でね。
久しぶりに会った研修科の子達は半年で、顔つきが変わってて、びっくり。
20歳前後ってそういう年頃なのね。
芝居はAGSの舞台でおなじみの「亀、もしくは・・・」。
若手がこの難しい芝居にどう立ち向かうか。
春の初演でお世話になった&「ヌード」で名前を使わせてもらったキムとアンディが出てる。
彼等が芝居してるのを見ると、うまいへたじゃなくて、ただうれしくてにまにましている自分に気づく。これじゃ、保護者じゃん。
終演後、挨拶してから、滝沢さんと山野さんと3人で、「ふんよう亭」という中華やさんで晩御飯。おいしかったね。
山野さんに、今日の稽古の感想をいろいろ話す。さっき書いたようなことをね。
また送ってもらってホテルへ。
いい一日だった。
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- 11月11日(土)&12日(日)
- 今日もTPSの「亀、もしくは・・・」を見に行く。
2時開演と5時開演のダブルヘッダー!
これで3組全部見ることに。
今日の稽古は、午後の荷積みの後、夕方6時からなので、本間さんに電話して「ちょっと遅刻していきます」と伝える(60分の芝居なので、タクシー飛ばしてけばたぶん10分くらいで着くはず)。
今日の二組は女性ばかりのキャスト。ゲイの話をビアンの話に。マザコンの話をファザコンの話に置き換えてある。
これがなかなか新鮮でおもしろかった。もともととってもむずかしいお話なんだけど(精神病院の患者と見学者と医者と看護士が、お互いに「こいつこそが異常なんだ」ってことを誤解してって、のっぴきならないことになってく話)、もともとの芝居にあったゲイの「身体性」みたいなものが、すっと薄まってて、戯曲の持ってるロジックがとってもすっきり見えてきてた。
出演してた子達に挨拶して、歩さんと二人で稽古場に向かう(彼は、今回「演出監修」をしてる&TPSの先生なので、3組とも見て「評価」しないといけない)。
稽古場では、すでに「マッサージ」が始まってて、僕たちも合流。
みんなに言われて気がついたんだけど、歩さんはひげを整えてて、いつもとずいぶん印象が変わってた(「うさんくさくなった」ってみんな言ってる)。山野さんもなんだかすっきりしてるんで「散髪行った?」と聞いたら、やっぱり、ヒゲを整えたんだそう。
そうだよね。もうすぐ初日なんだもんね。
僕は今回、何もしないつもりだ。初演もそうだったけど、メークもしない。
それは僕だけじゃなくって、男の出演者はみんな。
歩さんはとってもメークがきらいで、パブリックシアターの「三人姉妹」のときも、メークの人にちゃんと指導してもらったんだけど、本番中にだんだん薄くしてって、ついにノーメークにしたんだけど、そのとたんに「メークちゃんとしてください」ってダメを出されたそうだ。そんな話をくやしそうにしてくれたことがある。
本間さんからのダメだしのあと、さくっと通してみる。
衣装はもちろん、小道具もみんなトラックに積んでしまったから、稽古場には何にもない。
絵もイーゼルもね。
そんな中、パイプいすを使って、小道具はあることにして、芝居をしてみる。
稽古場での最後の通し稽古だ。
あるはずのものがないと、こんなに大変なのかと思う。
いつのまにか、モノに頼ってたんだなと、芝居が始まってすぐ気がつく。
でも、それってぜんぜんいいことなんだ。
ちゃんと見て、そのとき思ったこと、そのモノから受け取ったもので動いてってたんだから。
ないものをあるようにして芝居するのは、なんだか余計に力がいるようで、いつもと勝手が違う。当然なんだけど。
さっき出されたダメを確認しながら芝居をしてった。
ほんとに細かいところだ。
はじめてゴーギャンの目を見て話すのはいつなのか?
その瞬間を立てるために、それまでをどう「おさえて」いくか。
ゴッホの病状を伝えるところ、「動きたかったら動いてもいいよ」といわれたので、調子に乗っていすを投げる身振りを入れてみた。ゴーギャンの歩さんが芝居しながら笑ってて、「やった」と思う。歩さんは昨日の稽古の6場、酔っ払って登場する場面で、僕とやりとりしながら、合間合間に「いびきをかいて」寝てしまって、僕は、その様子がおかしくて、縦横無尽な自由な体がほんとにイカシてて、笑ってしまってもう大変だった。
本間さんは「本番直前になっても、突然へんな芝居思いつく、それだけ自由でいられる斎藤歩って役者が俺は好きなんだ」って言ってた。僕も同感だ。
2場っていうのは、40分弱ある長い場面なんだけど、僕は、ほとんど出ずっぱりでいる。
山野さんのゴッホとやりとりして、ゴーギャンの歩さんとやりとりして、今日もずいぶん「同じことしないで」芝居できた気がする。
4場の朗読の場面で一度だけゴッホと交わす視線。6場のナイフの段取りで、僕のうしろにいるゴーギャンの存在。そんな「小さないろいろ」を受け取ってったら、なんだかとってもすっきり終わることができた。
大ラスの手紙を読む場面は、実際に手紙がないので、覚えてる文面を語った。やっぱり、読むのと語るのは違う。
読んでる芝居をするのはむずかしかった。ここでもどれだけ手紙の文字に頼ってたか実感。
前はこんなふうじゃなかったと思う。それなりにこなしてしまって、何の違和感もなく終われてたような気がする。
でも、今回は、いい意味で「不器用」に芝居をしてる。そんな自分が新鮮でおもしろくてしかたない。
ダメだしのあと、稽古場打ち上げになった。
一人500円の会費で乾杯をする。
このAGSの稽古場も今日で最後だ。
床にすわって、みんなでビールや焼酎を飲む。
僕は、稲垣くんと一緒に小樽に行く約束があったので、さくっとあがらせてもらった。
「じゃ、また東京で」と挨拶して、出て行こうとしたら、本間さんに「テオ、いいかんじだから、その調子で」と声をかけられる。
うれしい。でも、あんまりおだたない(こっちの言葉で「調子に乗らない」)ように注意だな。
で、稲垣くんの車で小樽へ。
もう10時半過ぎ。高速に乗って、びゅんびゅんとんでく。
夜景がとってもきれいだ。
春の初演のときにもおじゃました「九年母」に行って、マスターのみっちゃんと春さんに再会する。
春さんは、ほんとにイカしたかあさんで、僕がくるのをずっと楽しみにしててくれてたそうだ。うれしい。稲垣くんと僕に、手作りの刺し子の巾着をプレゼントしてくれた。しかも手染めの布で。「寛永通宝」なんかがぶらさがってる。ありがたくいただく。
このごろ絵手紙にこってるという春さんが、筆ペンと携帯絵の具セットで、さらさらと目の前で書いてくれたはがきももらう。初体験の稲垣君も挑戦して、なかなか筋がいいのに感動。これももらってきたので、近々このHPにアップしますね。(*こちらへどうぞ!)
しばらくわいわい話して、春さんおすすめのおいしい日本酒を飲んで、帰ることに。春さんと「札幌で飲みなおそう」という話がまとまり、稲垣くんの車で3人はすすきのへ向かう。
春さんはなんだかんだとすすきののゲイバーに顔が広くて、ときどき遊びに行ってるそうで、びっくり。
ケンタがやってる「HEARTY@CAFE」に行こうということになった。
ケンタの店は週末で満員の盛況。
札幌ミーティングのビアン友達ゆかこちゃんとばったり会う。
なんだかんだと飲んで話して、ホテルに送ってもらって、今日の「イベント」は終了。
「待っててくれた人」とまた会えたことがとってもうれしい、今回の札幌。
春さんだけじゃなくって、「ゴッホ」の仲間もそうだし、札幌ミーティングのみんなもそう。
忘れちゃいけない、ホテルのかあさんもだ。
そういえば、酔っ払って寝てた今朝、ホテルのかあさんに電話でたたき起こされた。
「飛行機の時間だいじょぶですか!!」と心配してくれている。
「あの、帰るのは明日なんですけど・・」
「え?(空白2秒)あ、ごめんなさい、勘違いして・・」
こないだ話したとき、朝早い飛行機なんですよって言ったのを覚えててくれたんだ。
で、昼すぎに出かけようと思ったら、ドアノブにビニール袋が下がってて、「梅干」と手紙が入ってた。
前にも書いたけど、このホテルを僕らは「うめぼしホテル」って呼んでて、それはホテルの正面のシートにおおきく「うめぼし」って書いてあるからなんだけど、たしかに一回のガラスケースの中にはたくさん「梅干」が入ってる。
一度食べてみたいなって思ってたら、おもいがけなくもらえてしまった。
東京にもってって楽屋でみんなで食べようと思う。
こんな時間にこの道を歩くのも最後ねなんておセンチになりながら、最寄の西18丁目の駅に着いたら、改札口の向こうで歩さんと西田さんが手を振ってる!
あわてて、走ってって、同じ電車に乗り込む。
歩さんたちは、僕らより一日早く東京入りするんだ。
でも、こんなにばったり会うなんて。
大通りでいっしょに降りて、僕は、インターネットカフェに向かい、歩さんたちはユニクロにゴーギャンのズボンを買いに行く。
昨日急に「ゴーギャンのズボンだけ貧乏くさい」ってダメが出たんだって。
ちなみに僕が帰った後、山野さんと永利さんと歩さん西田さんで、二次会の串揚げ屋に行ったそうだ。
- これまでで一番だらだらと長い日記になってしまった。しかも二日分になってるし。
これで、このインターネットカフェともお別れ。
今晩は、これから札幌ミーティングの年次総会のあとの飲み会にちょっと顔を出して、部屋で荷造り。宅急便は一個にまとめて、あとはカートでごろごろ引っ張ってこうと思う(ていうか、カートを宅急便で送るのがやっぱりばかばかしくなったので)。
明日の飛行機は7時50分千歳発。
札幌駅を6時35分に出る快速エアポートに乗らないといけない。
部屋を出るのは、6時ごろの予定。
東京に着いたら、一度、高円寺に戻って、荷物を置いて、それから、13:00にパブリックシアターに集合だ。
明日以降も、この日記は続きますので、どうぞよろしく。
パブリックシアターってどんな劇場なんだろう?
楽しみ、楽しみ!
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- 11月13日(月)
- 昨日の続き。
ホテルに帰ってからが大変だった。
稽古場に台本を忘れてしまってきたことに気が付く!!
あわててAGSの稽古場に行ったけど、もう玄関の自動ドアは開いてない。
歩さんに電話して、鍵の開け方を聞いたけど、目の前の自動ドアは、夜間は自動的に閉まってしまう仕組み。中から誰か出てくるまで入れない。どうしよう!!
と思ってたら、歩さんから電話。宮田さんが持ってるかもしれないとのこと!
あわてて、宮田さんに電話。宮田さんは明るい声で「持ってまーす」と言ってくれて、台本騒ぎは一段落。
夜の十一時過ぎに、雨降りの大通りをうろうろ歩いてまたホテルまで戻ったけど、なんだかドキドキしてしまって、結局、朝までうとうとしながら眠らずに過ごしてしまう。
で、朝。
といっても、まだ真っ暗。
6時ちょうどに部屋を出て、地下鉄の駅へ。
始発の東西線、南北線を乗り継いで札幌の駅へ。
約束した快速エアポートの先頭に行くと、永利さんがいた。
山野さんは、直通が一本後とのことでいない。少しして滝沢さんも到着。
千歳空港で堂下さん、吉田さん、宮田さん、山野さんと合流。
みんなチェックアウトがばらばらなので、席もバラバラ。
帰りの飛行機はちょっとゆれたけど、時間通りに羽田に到着。
どれだけあったかいかと思ってたんだけど、やっぱり東京は風が冷たい。
でも、電車に乗ったりしてるうちに、皮ジャンの下には汗が‥‥。
みんなは劇場に直行したんだけども、僕は大荷物をいったん置きに高円寺へ。
知り合いに「見に来てね」メールを少し送って、いざ劇場へ。
世田谷パブリックシアターは、何度も来てるんだけど、芝居をするのは初めて。
歩さんと山野さんから、楽屋口の場所を聞いたんだけど、さんざん迷う。
ようやく発見して、楽屋のある3階にたどりついたのは、全員集合の時間13:00ぎりぎり。
舞台はもうほとんどできていて、装置はぜんぶ立ち上がってる。
照明のつり込みも終わってて、百瀬さんが音の確認をしてるところ。
役者衆は楽屋の準備なんだけど、今回、僕は、衣装も1セットだし、ノーメークだしで、何もすることがない。とってもきれいな楽屋と化粧前なんだけど、僕の前には、目薬とリップクリームがあるだけだ。
舞台に勝手にいていいということだったので、舞台上をうろうろする。
客席に舞台が大きく張りだしたパブリックシアターの第一印象は、「なんて客席が近いんだろう!!」ってこと2階席3階席もあるんだけど、そこまでの距離がむちゃくちゃ近い。
1階席の一番後ろだって、すぐ手が届くくらいなかんじ。
僕はこないだの東京芸術劇場小ホール2と比べてしまったけれども、最後列の席と舞台の距離感でいったら、全然近い気がするよね。
もっとも、それは「気がする」だけなんだと思うけど、実際に客席に降りてみると、舞台はそれなりに遠くって、間口が狭くてタッパが高い舞台は、とっても舞台に立ってる人を小さく見せてくれる。
稽古場で一番問題になった、袖幕から舞台までの導線を何度も何度も歩いてみる。
僕は、一番最初の登場で、手にろうそくを持ってる。
手元を気にしながら、入口の柱にぶつからないように、無意識に歩けるよう、何度も繰り返す。
舞台袖はとっても広い。
ついでに言うと、舞台自体もとっても広い。
大きく張りだした舞台部分が今回のメイン舞台。
もともとの本舞台は、装置があるあたり。それから、舞台最奥の大黒幕までの「何もない」空間。
そして、その大黒幕(実はプラス紗幕とホリゾント幕)の後ろにまだ広がる空間がある。
ここがどのくらい広いかっていうと、OFF・OFFシアターの舞台と客席がそっくり入っちゃうくらいかな?
とにかく、むちゃくちゃ大きな空間の一番前で僕らは芝居をする。
今回の公演は「東京国際舞台芸術フェスティバル リージョナルシアター・シリーズ」として上演される。このプロジェクトをしきってるのが「TIF(東京国際舞台芸術フェスティバル)」のスタッフだ。
札幌で、「岸さんという人がうちの担当」という話を聞いて、もしやと思って聞いてみたら、昔スパイラルでやったレズビアン&ゲイ映画祭の時にお世話になった岸さんと同じ人だった。
挨拶をして、「おひさしぶりです」「いつも案内ありがとう」などと話す。
で、「何してるの?」と聞かれたんで、「出てるんです」と答えたら、「そうだったんだ!」と真剣にびっくりしたみたいだった。そうだよね、札幌の劇団に東京の僕が出てるなんて思わないよね。普通。どうしてこうなったのかをいろいろ話す。
岸さんは明日のマチネを見てくれるそうだ。
夕方の5時から場当たりが始まる。予定通りだ。
オープニングからの出はけ、照明、音響のきっかけを確認していく。
これがけっこう大変だった。
一番大変だったのは、出はけのタイミング。
最初に本間さんに言われたのは、「広いからってあせらなくていい」ということ。
どうにも芝居がのびてしまうような気がして、さくさく歩いてたんだった。
4場の朗読の場面まででいったん休憩。
なんだかみんな「ぐったり」してる。
今朝札幌から着いた組は、朝早くから移動した疲れが出てる(僕はね)。
それ以外にも、この大きな空間を相手にするのは、どうにも「力」がいることみたいだ。
休憩の後で、再開。
10時の撤収までに全部終わるのかどうか心配だったけど、どうにか片づく。
一番最後は、舞台奥の大黒幕をとばして、ホリゾント幕を染めて、その中央から舞台前面までを一直線に僕が歩いてくるってところだったんだけど、歩きはまあ、明日ちゃんとやるとして、ホリの染まりぐあいをまた明日決めようということで、今日はおしまい。ほんと疲れた。
帰りは、埼京線で板橋のホテルに泊まってる山野さん、永利さん、熊倉さん、高田さん、それから埼玉県民の宇都宮さんと帰る。
ひさしぶりの高円寺なんだけど、みんなと話す余裕もなくダウン。
明日の初日に備える。
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- 11月14日(火)
- 「ゴッホからの最後の手紙」初日。
11時に劇場入り。
転換稽古といくつか確認をして、14時からゲネプロ。
昨日の場当たりでは何も芝居をしてない。
通すのは、先週の土曜日以来だから2日間のブランクがある。
二日目のパブリックシアターは、なんだか昨日ほどはこわくないかんじだ。
声の戻りの雰囲気もだんだんわかってきたし、何より、あったかみのある劇場なんだってことが体で感じられる。
で、ゲネの出来は‥‥
僕は楽しかったかな。
大きなトラブルもないままおしまいまで。
客席の宇都宮さんは、ケラケラ笑って見ててくれたし。
僕も、「何かしよう」としないで、「どうなるのかな?」ってなことをさぐりながらやってみた、そんな舞台。
終わった後、宇都宮さんの奥さんの浩子と会う。
二人の子供を連れて、見に来てくれてたそう。
「学校は?」って聞いたら、今日は、「埼玉県民の日」で学校は休みなんだって。
浩子は「全然違うんでびっくり」って言ってた。
9月に「オープニング・ナイト」見てもらってるからね。
たしかに全然違うと思う。
全然違う自分が舞台に立ってるとは思ってたんだけど、人に言われるのは初めて。
嬉しかった。
宇都宮さんにも、まあほめてもらえる。
ほっと安心。
一休みして、さあ、初日だ。
ロビー開場が6時。客席開場が6時30分。で、7時に開演。
開場前に、受付の手伝いをしてくれる相模原の演鑑の山田さんに受付預かりのチケットをお願いする。
で、開場、開演。
さあ、どんな初日になったのかな?
報告しないといけないことがあります。
今日、僕は、2場で「ずっと」使う椅子をセッティングするのを忘れてしまいました。
冒頭、持ってきたろうそくの火を吹き消して、窓辺に置いて、さあ、座ろうと思ったところで椅子がないことに気が付いて、仕方がないので、座ってた芝居を全部「立ったまま」に変更。
「同じことをしない」ようにやってきたつもりだけど、これって「全然違う」じゃない!!
それでも、なんだか新鮮でいいかんじに場面は進行。2場の途中で看護婦が呼びに来るところ。
ここで立ち上がると、もう椅子は使わないんだ。よかった!と思ったとたんに、エヘン虫が出てきて、「ぜ、ぜ、是非お願いします(もごもご)」みたいなセリフになった。
何でもなかったみたいに山野さんのゴッホと二人で下手に退場。
山野さんに「すみません、椅子がなくて、立ちっぱなしで」っと言ったらば、「あ、気が付かなかった」と言ってくれた。感謝。たぶん気使ってくれたんだと思うけど。
その後は、2場の異常な緊張の反動か、のんきに終わりまで行くことができたと思う。
終演後は、ロビーで初日乾杯。
久しぶりに会った佐藤誓さんと挨拶をする。
フライングステージのお客さんたちとも久しぶりだ。若さんも来てくれた。
古い友達のマイと岡田くんには、「よかったよ」と言われて、素直に喜ぶ。椅子のことは内緒だ。
おいしいビールだった。
その後、みんなは飲みに行ったんだけども、僕は直帰。
何だか、イベントな一日だったね。
明日が千秋楽だなんて、ウソみたいだ。
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- 11月15日(水)
- 「ゴッホからの最後の手紙」千秋楽。
12時に舞台集合。
30分くらい前に着こうかなと思って、たらたら新宿の駅で山手線内回り最後尾に向かってたら「おう」と呼ばれて、顔を上げたら、歩さんと西田さんがいた。
日曜日にもこんなふうにバッタリ駅で会ったんだった。
不思議なかんじ。
電車の中でいろいろおしゃべり。
西田さんは、昨日の「椅子なかった事件」を後で知ったそう。
「たいへんだったんだって」と言われる。
歩さんが上手の袖で「なんでテオが立ってるんだ?」とモニターを見て気が付き、足下に椅子を発見。途中通り過ぎるだけの看護婦に持っていかせようかとも思ったんだけど、芝居は進んでるし、4場ではじめてテオがもってった方がいいと思ったんでやめたんだと話してくれる。
僕も一瞬期待してたんだけど、結局、それでOKだったと思う。
西田さんからは、今回、靴をいっぱいもらってる。
引っ越しのついでに整理するそうで、「関根君の劇団で女装とかする人いる?」と聞かれて、「僕がします」と答え、「靴いらないかな?」というお誘いに大喜びで乗っかった。
サイズもちょうどなので(もちろん僕の方が幅広なんだけど)、大助かりだ。
今日のマチネに来てくれる小林隆さんの話になる。
小林さんは手と足がとっても小さいそうだ。西田さんよりも。
そんなこんなで劇場着。
楽屋に着いたら、パブリックシアターが「避難訓練」をしてた。
楽屋から除くと、消防車が止まって、レスキュー隊の人達が、ロープ一本でパブリックシアターのビルに上ったかと思うとするすると降りてくる。
窓辺の僕等は大拍手。
でも、下で見てた人たちは冷静。
歩さんは「盛り上がってるのおれたちだけだわ」と言ってた。
今日は、本間さんに言われて、本番前にマッサージをすることになった。
舞台の中でのパートナーとということで、僕は山野さんとペア。
これは初めて。
山野さんはとってもマッサージがうまい(滝沢さんも上手だったけど)。
芝居のことなんかを延々と話しながらやってたら、一番最後まで舞台にいることになった。
で、ゆっくりのんびりマチネ開演。
さて‥‥。
マチネはなんだか「スカスカ」した芝居になってたかもしれない。
別にお客さんが少ないからっていうんじゃないんだけど。
端的に言えば、よくある「二日落ち」なのかな。
二日落ちって、今いちノリが悪いところを無理に頑張っちゃうから、はずれてくんだけど、なんだか、そんな無理も何もしてないのに、なんだか、隙間がいっぱいできてしまうような、そんな涼しい舞台だった。
僕は、椅子に座っての実質上の初日。
本間さんにも言われたけど、やっぱり出る声が全然違う。
わりと落ち着いてやれたと思うんだけど、最後の最後、舞台奥から歩くところで、最初に立ち位置を下手側に50Bくらい間違えてしまって、明かりがついて「しまった」と思ったとたん「横に」歩いてしまった。これは、むちゃくちゃマズイ!!
大反省しつつのカーテンコール。
とりあえずロビーにご挨拶に出る。
小林隆さんがいたので、早速手の大きさを確認。
ほんとに小さくてびっくり。西田さんと三人でしばらくおしゃべりする。
マチネとソワレの間は結構な時間がある。
外は雨だけど、みんなそれぞれ時間をつぶす。
楽屋受付の前がロビーになってて、そこがたまり場になってるんだけど、差し入れでいただいたものをいろいろ食べながらいろいろ話す。
あと一回でおしまいだなんて、びっくりだ。
18:00に舞台集合。
本間さんから、「テンポが上がってる」と言われる。「落ち着いてやってだいじょぶだから」と。
急いでるつもりはないんだけど、微妙なところで早くなってたかもしれない。
さあ、千秋楽はどうなるか?
で、楽は、大きな失敗もなく進行。
心配だった「椅子」もちゃんとあったし(当たり前)、ナイフのだんどりもだいじょぶだったし、最後の暗転板付き、まっすぐ歩きもなんとか無事に終了。
やった!と思いながら、暗転中に上手袖に向かったら、装置の柱に激突!
びっくりしながらあたふたと袖に入って、それでも、とっても気持ちよくカーテンコールで挨拶したんでした。
終演後、ロビーでみんなにご挨拶。
フライングステージはほとんど全員がこの会に来てたので、大騒ぎ。
客席も今晩はにぎやかだったね。
青山吉良さんに、久しぶりな郡司くんと森川くん。森川くんは高熱を押してきてくれた。
ラピスのひろしさんは風邪で声ががらがらになっててびっくり。
他にも、予約をしないで当日来てくれた人が何人も。
感謝だ。
終演後は、楽屋を片づけるだけなので、もうすぐにおしまい。
荷物をあらかたマミーに渡して、あとは、舞台に行って、幕をたたむのを手伝う。
袖幕も大きくて、一人ではくるくるたためない。
紗幕とホリは、上から少しずつおろしてきて、自然に畳まれたものをくるっとくるんでバトンにぶらさげる。あ、うまく伝わらないね。でも、なかなか「びっくり」な片づけ方だった。
で、9時前に終演して、10時には舞台の片づけも全部終了。
すぐに劇場の近くの「味とめ」っていう飲み屋さんの座敷で打ち上げ。
バラシも早かったけど、打ち上げも乾杯も早かった。
座ったら、3分くらいでみんながお酒をもってた。
ほっとしていろいろなことをおしゃべりする。
札幌の初演の時みたいな「感動」はないんだけど、今回もしみじみやってよかったと思う。
宮田さんと音響の百瀬さんとずっと話して、二次会の店でも盛り上がる。
朝までかい?と思ってたんだけど、2時過ぎには終わって、みんなそれぞれ帰ってった。
そうだ、山野さんの奥さんが北海道から来て見てくれてた。
5月にマリアテアトロで会って以来だ。
「お世話になりました」と挨拶する。
最後に山野さんと握手した。
5月もたしかこんな終わり方だった。
今回は、5月の初演とは違った「近さ」が嬉しい、稽古と本番だった。
再演で気心が知れたっていうのもあるかもしれないし、スタッフキャストの人数が少ないってのもあるかもしれない。
吉田さんとも話したんだけど、それでもやっぱり稽古場や舞台での僕らのいかたは、むちゃくちゃ近くなってたと思う。
ふだんはそんなに近くは座らないだろうって距離に平気で並んで座ったりね。
そんなことを意識しないでできたことがとっても嬉しかった。
山野さんの手は、やっぱりとってもあたたかくて、また一緒に芝居しようと話した。
僕は、練馬に住んでる相模原演鑑の山田さんと一緒のタクシーに乗り込んだ。
山野さんと奥さんと、歩さんに手を振って別れた。
山田さんには、タクシー代をごちそうになる。
どうもありがとうございました。
「また一緒に飲もう」の約束、忘れてませんから。
連絡くださいね!
高円寺の環七から部屋まで少し歩く。
終わったのがウソみたいにしっかり歩いてる自分に気が付いた。
おセンチになってないのがちょっともったいないみたいな気がしたけど、これはこれでいい気分だ。
来月半ばには、歩さんの演出で宮田さんと永利さんと山野さんがまたやって来てくれる(「冬のバイエル」@駒場アゴラ劇場)。
それもあるのかな?
それまで、僕は、「gaku-GAY-kai」と「VOICE」の準備をしないといけない。
やることは盛りだくさん。さあ、次にとりかかろう。
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