「ゴッホからの最後の手紙」
「gaku-GAY-kai 2000」
日 記

★12月前半★

  

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 12月2日(土)
 「贋作・黒蜥蜴」稽古2日目。
 ラストの場面をのぞいて、プロットはできあがってるんだけど(ほんとよ!)、台本はこないだの分の修正を含めて12ページ。全体で40ページくらいの予定なので、まだ三分の一弱といったところ。
 なるみと一緒にタイ・カンボジアに行っていたよしおが帰ってきて、泊まり込み仕事の合間な水月アキラもやってきて、にぎやかな稽古。ただ、高市氏は風邪でダウン。ノグは養成所でお休み。
 ストレッチをさくさくやって、しりとりをしてみる。
 こないだ「まっすーの再来」と言われたアルピーナさんが、まっすーのとんちきぶりを目の当たりにして「よかった。トラウマにならなくて」と喜んでた。「私だけ、しりとりができないの?」ってな心配をしてたらしい。
 まっすーは病み上がりってことを差し引いても、かなりとんちきだった。
 で、読み合わせをしてみる。
 頭から読んでみて、約15分。いいペースだと思う(台本の構成上のバランスがね)。
 こないだの「早苗さんをトランクに詰める」場面から、黒蜥蜴が早苗さんの振り&声帯模写をして父親・岩瀬庄兵衛とやりとりする場面(もちろん、蔭マイクのリップシンクよ!)、脅迫の電報が届いたと明智が岩瀬に知らせる場面。で、寝室の前で明智が番をしているところに緑川夫人が登場、という、有名な場面(トランプをしながら「あなたの探偵という職業を賭けてほしいの」って言うところね)などなど。
 あ、この日記、なんだか「ネタバレ日記」になってるんですけど。バレたからってどうってことないと僕は思ってるんで(gaku-GAY-kaiの場合ね。でも、見に来ても隣の人に教えてあげたりはしないでね)、どんどこ書いてこうと思ってますんで、よろしく。
 それから、緑川夫人が黒蜥蜴だってことがばれるところ、みんなを部屋に閉じこめて逃げていく場面も、原作戯曲から見たら、ものすごいダイジェストでどんどん進む。
 で、次がオリジナルの場面。黒蜥蜴のアジト。黒蜥蜴の母親・赤蜥蜴とのやりとり。この場面を書いてしまって、「あ、『贋作・黒蜥蜴』ってこういう話なのね」って自分でわかった気がした。自分で考えておいて、何なんだけどね。
 アルピーナさんの早苗は絶好調。いろいろとアイデアを出してくれて、セリフも検討しながらよりおもしろくなるよう、変更をどんどんしていく。
 いわいわの岩瀬は、「ガハハ」なオヤジなんだけど、なかなかいいかんじ。「そこまでやるか」ってくらい、いい調子でやってくれてる。
 森川くんの明智との場面までいかないうちに、時間が来てしまった。
 森川君はgaku-GAY-kai初体験なので、「こういう稽古です」とお話をする。あと「安くてごめんね」と(芝居が)。よろしくお願いしますわ。だんだんトンチキなキャラになるけど、今のところ原作の「二枚目」なラインをなぞってるんで、イマイチはじけた感に乏しいかも。でも、黒蜥蜴と明智とのやりとりの「かっこいいところ」はわりときちんとやった上でのパロディにしたいので、もう少し待っててね。
 帰りに久しぶりに酒部活動。駅前の「やるき茶屋」で飲む。顔ぶれは、水月、いわいわ、アルピーナさん、森川くんに、僕。
 稽古の後の飲みは久しぶり。アルピーナさんと森川くんは、ほとんど初対面なので、あれこれ話して、少し近くなれたかもね。
 今日は、「VOICE」の稽古の予定がキャンセル。荒くんが風邪でダウンしたため。
 高市氏もダウン。僕もちょっと調子が悪いんで、無茶しない程度にがんばっていこうっと。
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 12月6日(水)
 台本の続きをまた持っていく。
 追加で12ページ! こんなにさくさく書けてしまう快感は久しぶりだ。
 もっとも、あちこちで三島の原作のセリフをぱくったり、アレンジしたり、してるからなのかもしれないけど。
 前回の稽古に持ってった場面の続きは、まず東京の岩瀬邸の場面、早苗さんは座敷牢で厳重に守られてる。そこを黒蜥蜴は、ソファに隠してまんまと盗み出していく。それから、その後の黒蜥蜴のアジトの場面。黒蜥蜴と雨宮の過去の話。続いて、「早苗さんと引き換えに『エヂプトの星』を」っていう脅迫状が届く、明智小五郎の事務所。その後、有名な「最後に勝つのはこっちさ!」で終わる明智と黒蜥蜴の渡りセリフ。最後は、「エヂプトの星」引き渡しの東京タワーの展望台の場面。
 いつものgaku-GAY-kaiは、友達の坂本くん(ノンケ)にかいてもらった台本を最後に僕がアレンジして上演してるんだけど、初めから書いてみるのは初めての経験。
 でも、三島のセリフのアレンジはとっても楽しい。
 おかげでかなり「しつこい」&「絢爛豪華」なセリフになっちゃってるけど。
 でも、いいの。確信犯だから。
 三島の文体と「黒蜥蜴」って本をずっと上演してきた美輪さんへのオマージュ。っていうか、京マチ子版映画っていう、非常にピュアな「三島らしい」ものをネタにした、僕なりの「パロディ」だから。
 今日の稽古は、アルピーナさんが仕事でお休み。高市氏も風邪のなおりかけなので用心してお休み。他は全員集合。
 よしおが仕事で遅くなったので、あちこち代役をしてもらいながら、あるところを全部読んでみる。よしおの役は、岩瀬夫人(メインがね。他にもいろいろあるんだけど)。
 今日、読んでみたラップが、35分。こんなもんだろうと思う。
 みんな、特にまっすーが「三島」の文体で苦労してる。
 黒蜥蜴と雨宮の話は、原作のセリフを忠実になぞりながら、あちこちで「世界」をひっくり返してみた。
 明智と黒蜥蜴の渡りセリフの場面は、突然違う空間の二人が、セリフを朗々と謳い始めて、最後に、二重唱で「最後に勝つのはこっちさ!」で終わる、とってもはずかしい場面。
 でも、やってしまうの。
 この恥ずかしさがないと「黒蜥蜴」じゃないと、僕は思うので。
 恥ずかしいといえば、まみが演じてる岩瀬邸の家政婦ひな、実は黒蜥蜴の手下「青い亀」が黒蜥蜴に暗号の電話をかけるところ。
 「黄色い獅子。黄色い獅子。夜の髭と朝の尻尾‥‥」っていう、「わけのわからない」セリフがあるんだけど、この妙に「無邪気」なかんじが恥ずかしいんだよね。三島の非常に若書きなかんじ、もしくは確信犯で「お芝居」に徹しようとしてるかんじがとってもするセリフ。
 ここもそっくり「いただいて」ます。もっとも、すぐにひっくり返してるんだけども。
 大体、この「黒蜥蜴」っていう戯曲自体が、とっても若くて青くて、余分なところがとっても多い。晩年の「サド侯爵夫人」みたいな硬質なセリフがあるかと思えば、「何だそりゃ?」ってな幼稚なたとえ話がそのまんま出てきたりね。
 構成が冗漫なのは、あえて「大時代なメロドラマ」をねらったんだと思うけど、それにしてもって感じ。
 今回、ほとんどダイジェストのような作業をしていて、それがよくわかった。
 この台本をそのまんまやってる美輪さんは、すごいと思うよ。ほんとに。
 さて、一度通して読んだ後。荒く立ってみることにする。
 早苗さんをトランクに詰めて雨宮が去るところ以降、ホテルの廊下をはさんで向かい合う二つの部屋の行ったり来たりの場面。
 最初は、廊下を上手下手の袖奥ってことにしようかと思ったんだけど、岩瀬と早苗人形が眠る寝室が必要なので、結局、舞台を上手と下手で二つの部屋にわけて、真ん中に廊下という、ほんとうならとっても「いやな」使い方にする。
 でも、こんな「芝居」っぽい、お約束の舞台っていうのも、この芝居らしくていいかも。
 セリフをしゃべりながら、動いてみた結果、ドアの開け閉てが実に大変な作業だということにみんな気が付く。
 どっち側に取っ手があるのか、引くのか押すのか。
 入れ違い、すれ違いのきわどい流れが続くので、ドアを前に考え込んでしまうと、そのとたんに流れが止まってしまう。
 別にパントマイムである必要はないから、さくさくできたらかっこいいだろうな。
 明智と黒蜥蜴は、早苗さんがさらわれるという予告の12時まで、花札をするんだけど、その花札のやり方を、僕も森川くんもよくわからない。
 いわいわ、のぐ、早瀬くんあたりが詳しそうなんで、こんどじっくり聞いてみよう。
 原作では、トランプでアメリカン・ピノックルというゲームをする。「あら、普通結婚」とか「僕は皇族結婚だ」とか言うんだけど、よくわからないので、花札にしてみた。
 どこからともなく座布団を持ってきて、黒蜥蜴は立て膝ついて、花札をする「ほれ、猪鹿蝶!」とか言いながら。原作通り、黒蜥蜴は「持ってる宝石全部」、明智は「探偵という職業」を賭けてね。
 その後の、早苗さんがとっくにいないってところの「犯人がここにいます」って場面。
 早苗さんを連れて来た小林少年(のぐ)が登場したりして、部屋はもう満員状態。
 今日の稽古場はほぼ実寸に近いんだけど、位置取りがけっこう大変そうだ。
 黒蜥蜴は明智の持ってたピストルと部屋の鍵をいつの間にか手に入れていて、悠然と出ていく。
 その後、すぐに「男装」して登場して、廊下で黒蜥蜴を追う明智たちにぶつかって「失礼」なんて言う。
 最初の場面はここまでなんだけど、とにかく「ドア」が大問題だということがよくわかった。うそでもいいからかっこよくしたいな。ドアの開け閉めは、素振り稽古が必要だろう。
 続いて、岩瀬邸の場面を荒く立ってみる。
 遅れてきたよしおには、初見で動きをあたってもらう。
 ここもいなくなった早苗さんを探しまわる動きがけっこう大変。
 セリフの芝居だと思ってたら、場面によっては結構な運動量かもしれない。
 よしお演じる岩瀬夫人は、徹底的に「ざます言葉」でしゃべりまくる、ヒステリックなおばさんだ。あのガタイで演じるおばさんはとっても楽しみ。
 時間が来たので今日はここまで。
 「VOICE」の稽古が夜中あるはずだったんだけど、荒くんに頼んで「なし」にしてもらう。
 「ほんとに突貫稽古になりそうですね」と言われる。ほんとにそうだ。
 「gaku-GAY-kai」は28日だけど、「VOICE」は16日なんだよね。来週の土曜日だよ。ひえーってかんじ。
 荒くんとは土曜日の稽古前にうち合わせがてら「広い稽古場」で稽古しようと約束する。
 ぷれいす東京じゃ大きな声は出せないし、ていうか「夜中稽古」なんで、少しでも広い空間に慣れるように。
 明日は、朝から「gaku-GAY-kai」のフライヤーの引き取り。夕方からは、ぷれいす東京の事務所で砂川さんと、舞台進行の打ち合わせだ。
 芝居に夢中で、去年同様、舞台監督のお手伝いをするってことが、どっかに行っちゃってた。
 ダブルヘッダーがトリプルになった気分。
 そのためにも、「黒蜥蜴」早く書き上げないと。
 土日の稽古で完成したいもんだね。って他人事?
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 12月9日(土)
 昼間、荒くんと待ち合わせして、文学座のアトリエ公演「エレファント・マン」を見に行く。
 今年の2月に「新世紀版・ハムレット」でご一緒した田中明生さんが出演されてる。
 「エレファント・マン」は今から二十年くらい前(もうそんなになるんだね)、劇団四季の舞台で見てる。映画でもとっても有名なお話だけど、もともとは舞台。タイトルロールのジョン・メリックは、ブロードウェイでは、デヴィッド・ボウイがやったりしてる。
 四季の舞台では市村正親さん。当時、僕はこの人に夢中だったから、同じ舞台を結局3回見て、「あの人みたいになる。あの役をいつかやるんだ」と思ってた(またか!)。
 で、二十年ぶりに違う演出で見る同じ舞台は、なんだかとても感慨深かった。
 今回田中さんが演じてるトリーブスっていう医者の役が「31歳」だってことにショックを受ける。16歳の時に見た31歳と、35歳になって見る31歳って、全然、違うのね。ていうか、そんなに、長い時間が知らない間に通り過ぎてっちゃったってことに、なんだかびっくり。
 二十年前の舞台を引き合いに出すってこと自体、かなりとんちき&ナンセンスなことなのかもしれないけど、四季の舞台とは全然違う演出、肌合いの舞台だった。
 この間も新国立劇場で「欲望という名の電車」を見たんだけど、この芝居も僕は二十年前に文学座の公演で見てる。日生劇場で、杉村さんのブランチ、江守徹さんのスタンレー、太地喜和子さんのステラ、北村和夫さんのミッチ。高校生が見た芝居は、なんだかかなり「原体験」or「幼児体験」としてすりこまれてしまってるみたいだ。
 「エレファントマン」も「欲望という名の電車」も、今の舞台を見ながら、昔見た舞台が亡霊のように、まざまざとよみがえってくる。芝居ってすごいと思う。思いださせてしまうんだからね。なんてやりがいのある仕事なんだろうね。
 文学座のアトリエは、とにかく客席の年齢層が高くてびっくり。荒くんに「あなた、若い人ベスト10に入ってるんじゃない?」と話す。普段は稽古場、そして時には、今回みたいに舞台と客席になるアトリエの空間は、とっても気持ちがいい。そういえば、昔々、ここで養成所の入所試験を受けたんだったなんてことも懐かしく思い出す。これも十五年前の話だ。
 アトリエを後にして、「G-men」の編集部に行く。
 忘年会&クリスマスパーティにお呼ばれだ。
 夕方からの稽古なので、みなさんにご挨拶して、さくっと失礼する。
 で、稽古だ(やっと)。
 今日の稽古は、のぐがお休み。
 こないだいなかったアルピーナさんに、動きのだんどりを説明して、頭からさくさく通してみる。高市氏の場面、今日が初めての読み合わせだ。
 早苗さんをバッグに詰める仕掛け(?)をいろいろやってみる。
 まっすーと僕とアルピーナさんで「せーの!」と試す。初めは思いつきだったんだけど、たぶん、いけそう。超ばかばかしいんだけど、面白いんじゃないかな。
 岩瀬夫人のよしおは、今日はとっても「キンキン声」いいかんじ。ほめてみたら、「うちで練習してきました」って言ってた。
 のぐがいないので、小林くんの役はいわいわが代役。「宇宙ショー」の稽古で郡司くんに「仕込んで」もらったせいで、みんなさくさくと人の代わりができるようになった。郡司くんどうもありがとう。
 さくさく段取りを追ってって、あちこちもう少しこまかいネタを入れた方がいいかなってかんじがしてきた。
 動きの段取りがとっても多くって、そのことに集中してしまうと、かなり芝居が流れてってしまう。時々「ひっかっかる」ように、少しずつ手直ししてってみよう。
 最後に頭からさくさく通してってみて、時間切れでおしまい。
 僕は、その後、タックスノットへ、フライヤーを置きに出かける。さくっと帰ってくるつもりが、楽しく盛り上がって、結局終電になってしまう。夕べの徹夜台本書きがきいて、思い切り爆睡。これを書いてるのは、日曜の朝。テレビの「日曜美術館」でオノ・ヨーコが何かしゃべってる。
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 12月13日(水)
 久しぶりの稽古。といっても、先週の土曜日以来。日曜日は、僕がぺんぺんさんの芝居を見に行った&よしおがUCの稽古でお休み&のぐが養成所の卒業公演の打ち合わせ(実行委員長みたいなもんになったそう)等々の理由で、稽古は急遽キャンセル。
 その間に「贋作・黒蜥蜴」の台本は見事完成!‥‥の予定だったんだけど、月曜の夜に僕が風邪(?)でダウンしてしまって、未完のまま。
 月曜の夜には、ジオラママンボガールズの打ち合わせもあったんだけど、こっちもキャンセル。
 こないだ一度風邪ひいて、もうだいじょうぶと油断してたのがいけなかったのか、月曜の録音の仕事が終わったとたんに、かなりどんよりした気分に。まんま寝て、また翌日スタジオに行ってなんてことを繰り返して、ようやく「立ち直った」気分の水曜日。
 荒くんと待ち合わせをして、みんなが集まる前に稽古場で立ち稽古をしてみる。
 今週の土曜日が「VOICE」の本番。いくら20分間の二人芝居だからって、ほんとにできるの?ってな心配をはねのけるためにも(?)、いつものぷれいす東京の事務所の稽古とは違った、ちょっとだけ広い部屋で、ちゃんと声を出して、稽古してみる。
 止まってしまったエレベーターの中の二人芝居。
 荒くんが書いてくれたプロットをもとに、僕が後半を付け足して、ふたりでわいわいいいながら書き(しゃべり)上げた台本。
 一応、エイズの啓発イベントなので、若干「メッセージ」っぽいところもあり、ちょっと気恥ずかしくもあり、なかなかてれくさい稽古にいつもなってしまうのでした。
 でも、もうそんなこと言ってられない。やってやるわ!!
 またしても、動きを確認しながら、セリフを調整して、それでも、とにかく最後までやってみた。
 どんどん集まってくるみんなを「無視」しながら。ウソ。実はすっごい気にしながら。
 で、やってみて、ほっとした。「これならいける」ってかんじ。
 これまで、探ってたキャラクターを、これで行く!ってなふうに決めたら、すっきりした。
 20分の間に、知り合って、反発して、仲直りして‥‥って流れは、実はかなり無理があるんだけど、そんなこと気にしないで、やってしまえば、気持ちは素直に流れてくんだってことが、よくわかった。
 荒くんとの芝居も楽しい。ほんとに久しぶりの舞台なのに、よくやってると思う。セリフだって、ちゃんと入ってるし(あ、僕はまだなんです。ごめんなさい)。
 あとは、前日の金曜の夜に、衣装も小道具も音もみんなそろえて最終稽古ってことになった。
 で、「贋作・黒蜥蜴」です。
 新しい場面がないので、頭からさらってみる。こないだいなかったノグの場面を中心にね。
 さすがに慣れてきて、いいテンポ。でも、あんまりさくさくやると「何にもない」芝居になってしまうので(むちゃくちゃだんどりが多いので)、たっぷりなところはたっぷりやらないといけない。そのへんのさじ加減がみんなわかってきたみたいだ。
 仕事でお休みの早苗さん=アルピーナさんの代役を、荒くんにやってもらう。
 そう、こないだぷれいす東京の事務所で稽古の合間に遊びでセリフを合わせたら、「黒蜥蜴」のセリフも入ってたんだった(ちなみに、冒頭のセリフは原作通りに始めてみました。緑川夫人「そんなに夜の川が珍しいの。初めての大阪でもないでしょうに」。早苗「ここ中之島っていうんでしょ。川は淀川?」。緑川夫人「そうよ。十九にもなって子供みたいな質問ね」てな具合に)。
 アジトの場面につなげて、岩瀬邸を仕事で遅いよしおの代役を高市氏にやってもらう。やっぱりさすがの迫力。
 またアジトの場面。黒蜥蜴とまっすーの雨宮とのやりとり。この二人はとってもSMチックな関係(ていうか、そのまんま)なんだけど、まっすーはとっても嬉しそうに、いろんな「無体」なことをする僕に「すがってくる」。なかなかいい気持ち。最後は、「さあ、うまく脅迫状が書けたら、あとでたんと鞭で打ってあげよう」「はい」ってなやりとり。
 ほんとに嬉しそうににっこりしてるまっすー。「これでいいのかな?」ってな疑問がじゃっかん残るものの、まあいいやと次に進む。
 で、ノグの小林少年の場面、明智とのやりとりをさらってみる。
 どうにも二人のセリフがかみ合ってないので、のぐに「小林くんは明智のことを愛してるのよ!」と説明する(あ、そういう設定なんです。今回は)。
 「黒蜥蜴のことは思い切り憎んで、嫉妬しておいて」とも伝える。
 「畜生、黒蜥蜴め!」というセリフを、のぐがかみまくるのを何度も繰り返していたら、時間が来てしまって、今日はここまで。
 別に小ネタを盛り込んだわけでもないんだけど、今日は、軽く楽しく盛り上がれた。
 僕と森川くんが花札をする場面は、おもいきりなウソでもいいから、セリフを書こうということになった。緑川夫人「あら、猪鹿蝶。私の勝ちね」。明智「奇遇だな。僕もですよ」。緑川夫人「まあ、くやしい!もう一勝負よ」みたいな。花札のルールは一切無視することにしました。
 駅までの道の途中の古道具屋さん(時々やってる、ウィークリーな店)で、黒蜥蜴が男装するときにかぶるソフト帽、800円也を買う。まみーは、岩瀬夫人が着そうな羽織をゲット。
 昔の人は小さいのか、僕の頭が大きいのか、ソフトは頭にのっかってるかんじ。でも、いいの「記号」だから。
 嬉しいお知らせ。28日のgaku-GAY-kai本番で、荒くんが舞台進行を手伝ってくれることになりました。よろしくお願いしますです。感謝×∞
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