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7月18日(水)
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- 稽古前に、お友達の日本画家、林克彦くんの作品を見に、銀座の松坂屋の画廊へ行く。
- たまたま3+1日本画展「アニマオ」。4人の日本画家さんの合同展。
- 林くんは、5月にタックスノットに作品を展示していて、僕はその中の1点、「いちじくの枝」を描いた小さな絵を譲ってもらった。
- 今回は、動物をテーマにした大きな作品が3点。
- タイトルは「家族」。
- といっても、ありがちな動物の親子とかじゃない。
- 1枚目は、大きなバクと小さな子ヤギ。2枚目は猫と山羊。3枚目はアフリカ象とシロクマ。
- なんでこれが家族?ってかんじなんだけど、彼らが「家族」なんだと思ってみると、なんだか不思議ないい気持ちになってくる。
- 林くんが会場にいて、おしゃべりにつきあってくれた。
- 僕が一番気に入ったのは「バクと子ヤギ」の絵だったんだけど、「どういう家族なの?」と聞いたらば、「子ヤギが父親で、バクが娘かな」って教えてくれた。
- 言われてみたら、たしかにバクはなんだか「やさしい腰つき」でおっとりしてるし、子ヤギったら、小さいのにバクをリードしてるかんじ。
- そんな話を聞いたら、よけい可愛く見えてきてね、他の絵をほったらかして、ずっと見ちゃいました。
- その後、松坂屋の裏のスタバで一服。
- 銀座の真ん中にもスタバはあるのね。久し振りの銀座でちょっとびっくり。
- メールをチェックして、さくさくと稽古場へ。
- で、稽古3回目。
- 今日はなんだかんだとお休みの人が多くって、7人で、基礎トレーニング系の地道な稽古。
- ストレッチをして、筋トレをして、いつものいろんなゲーム。
- しりとりしたり、椅子取りおにごっっこをしたり。
- 背中を向いて立ってもらって、誰にむかって話しかけてるかを当てるっていうゲームもやってみた。
- わいわい楽しく遊んでるノリとはちょっと反対の、静かに集中してみようってことが目的。
- クーラーの音がちょっと邪魔になったかもしれないんだけど、当たったり当たらなかったり、いろいろだったね。
- 最後に、2人ずつに別れて、相手を彫刻のように作り上げていく。
- 作られる人は、素直に動かされて、ある形をキープする。
- この「動かす」「動かされる」っていうのが、なかなか大変。
- 人にさわらなきゃいけないし、動かされる側は「重さ」をどう動かしていくかってことが結構微妙。
- 3つのポーズが出来上がったところで、作る側だったうちの一人に「2体を選んで」もらって、「タイトル」をつけてもらう。
- 最初の組は「子どもの喧嘩」、もう一つは「泣かないで」。
- どう説明していいかわかんないんだけど、いかにも「そんなかんじ」だった。
- で、もう一人の別な人に「もっと過激に」してもらう。
- いっこうちゃんの「過激にする手つき」がなかなかいいかんじだったね。
- 帰りはまた「酒部」活動。
- 三軒茶屋は普通に晴れてるのに、新宿あたりは大雨だったんだって。
- 僕等はちっとも濡れずにうちまで帰れたんだけど、高円寺も雨上がりな街だった。ちょっとだけすずしい。
- 初日まで、あと42日!
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7月20日(金)
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- 今日は、早瀬くんをのぞいて出演者が全員そろった。
- ひさしぶりの水月アキラも。
- 荒くんもほんとにひさしぶりだったね。
- みんなで基礎トレ。
- 今日は11人。
- おとといプラス4人なのに、むっちゃくちゃ大人数なかんじ。
- こないだいなかったいりーな(女子)がいるのに、なんかすっごい「男くさい」感濃厚な稽古場だ。
- ストレッチと筋トレをいりーなにしきってもらう。
- フライングステージは毎回のメニューみたいなものがばっちり決まってるわけじゃなくて、毎回、誰かしらに20分くらいの基礎トレをしきってもらうことにしてる。
- いつも「言われてやる」だけじゃつまんないし、人によって微妙に「しきりかた」が違うのがなかなかおもしろいんだよね。
- いりーなはとってもカラダがやわらかいので、ストレッチな何気なくハードになってる。
- ひーひー言ってるor無言な人が何人か……
- いつものしりとりなんかの後、今日は台本をやってみる。
- オープニングのみんなでわいわいしゃべってる場面から劇中劇の最初の場面まで。
- 再演だから、こんなふうな動きをしたってことは大体わかってるんだけど、あえてなぞらないでやってみる。
- 舞台の正面も決めないで、なんとなく動いてみようっていうことで。
- ただ、「誰にしゃべってるのか」ってことと「誰の話を聞いてるのか」ってことに気を付けてもらう。
- 最初の場面は、とにかく全員が出てて、あちこちでいろんな話が進んでる。
- メインになるインタビューがあるんだけど、それにみんながどんどん割り込んでくる。その割り込み方のいきおいもよろしくねということで。
- 今日も郡司くんの代役はふっちー。早瀬くんの代役は荒くんにお願いする。
- 今日稽古場にいる全員がもれなく芝居の稽古に流れ込んでる。
- いつもとちがって、見てる人がいないので、妙にエチュードもしくはゲームみたいだ。ノリも軽くていいかんじ。
- いっこうちゃんと「結局おなじになっちゃうのね」と言いながら、あれこれとやってみる。
- でも、まだ固めなくてだいじょうぶ。もう少し遊んでみよう。
- 歌ちゃんには、「そんなにキャラを作らなくてだいじょぶだから」と話す。まず歌ちゃんのまんまでいてくれればいい。特にこの場面はね。後でとっても大変な「お芝居の場面」があるわけだから。
- 何度かいろいろやってみて、次の劇中劇の場面。
- 「渡る世間は鬼ばかり」を見てたお茶の間だ。
- おばちゃん(いっこうちゃん)におじちゃん(としくん=水月アキラ)、妹のひとみ(いりーな)と婚約者の利郎くん(まっすー)、それにとなりのおばちゃん(まみー)がその場にいない兄・健太郎(僕の役)の話をしてる。
- 健太郎がゲイだってことをみんなは利郎くんに内緒にしておきたい。
- ただその「度合い」と、ゲイってことに対する思いor意識がみんな違うので、会話はとってもはらはらするものになってる。
- セリフはわりと他愛ない日常会話なんだけど、そのへんのニュアンスがなかなかおもしろい場面なんだ。
- 全然違うこと考えてる人が一緒に会話してるのっておもしろいよね。
- みんな全然違うんだけど、会話はきわどいところでちゃんと成立してる。
- むしろ、違うからこそ、不思議なずれと、そのずれを何とかしようとする意識が働いて、言葉にならないものがそこには生まれてくる。
- この「言葉にならないもの」って芝居だからできることなんだよね。
- 台本にももちろん書いてない。だって言葉じゃないから。
- しかもその「言葉にならないもの」ってのは「形」にもならなかったりする。そして「時間」にも。でも、間違いなく、そこにはあって、ちゃんと伝わっていく。
- きっと、その「目に見えないもの」ってのが、芝居が持ってる人を感動させる力のもとなんだと思う。
- 稽古しながら、どうするとその場面のみんが人と「違く」なってくるかを探ってみる。
- いっこうちゃんのこの場面最初のセリフは「野村昭子。」っていう一言なんだけど、やっぱりこのセリフは、ポットから急須にお湯を入れながら、みんなの方を全然見ないでやってちょうだいとお願いする。「なぞらないで」と言いながら、これは初演と同じ。ぶっきらぼうなキャラがなんだかかっこよくてね。
- 稽古らしい稽古をして終わりの時間。
- この調子でさくさく作っていこうと思う。全部の場面をまずさらっていって、どうとでも遊べるようになって、もう一度頭からいろいろやってみる。さすが再演。そのくらいの余裕はありそうなかんじ。
- 着替えながら、歌ちゃんに「たくさんしゃべる演出家だね」と言われる。
- そのとおり。僕はむちゃくちゃしゃべる演出家だと思う。
- ただの交通整理とかだめなところだけを指摘する無口な演出家には絶対になれないし、なりたくもない。
- 「しゃべりすぎかしら?」と聞いたらば、「平気、平気。俺も何も言わない演出家嫌いだから」と言ってもらう。ありがとう歌ちゃん!
- 帰りは、歌ちゃんの車で新宿へ。
- いっこうちゃんを駅で降ろして、二人でタックスノットへ。
- しばらくお休みしてたタックさんの復帰の日。
- 吉川慶ちゃんやら、彼氏連れて来たパチパチやらと楽しく話す。
- タックさんはとっても元気そう。よかった、よかった。
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- 初日まで、あと40日!
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7月25日(水)
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少ない人数で稽古。
NGが重なったりして、すっごい淋しい稽古場。
いつもと同じ基礎トレをやったんだけど、人数が少ないと、むちゃくちゃ疲れる。
順番がすぐまわってくるから。
しりとりとかそういうの全部。
ちょっとも気が抜けない。
拍手をまわすのも手がすぐに痛くなったし。
椅子取り鬼ごっこは、妙にエキサイトしてしまって、みんなが「ぜえぜえ」言うまで盛り上がる。
人数が少ないと、全員の動きが把握できて、「まあいいや、動いちゃえ」じゃなくて、的確に戦略を持って、動けるみたいだ。
でも、それにはすっごく頭を使わないといけない。
人数が少ないから、単純に動く回数も多くなるしね。
はしゃすぎて、頭の後ろが「きーん」と痛くなるくらいまでやって、一休み。
後半は、台本の稽古。
出来る場面がとことんなかったので、劇中劇の僕といりーなの場面をあたってみる。
それから、そのあとの夜の庭の場面を。
さくさくっとやって、今日はおしまい。
いっこうちゃんがいないので、今日は酒部活動はお休み。
- 初日まで、あと35日!
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7月26日(木)
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昨日の稽古で、ちゃんと発声練習をした方がいい、ということになったので、今日は、全編発声練習に当てた。
いつも使う稽古場は住宅地の真ん中なので、声を出すのが気が引ける。
平気でやってる劇団もあるんだけど、ちょっと臆病になってるんだよね。
でも、今日は「何をやろうとだいじょうぶ」な稽古場。
思う存分、声を出す。
ハミングから始めて、共鳴腔をさぐってく。
ストレッチとはちがった、カラダのあちこちの再発見だ。
二人組になってもらって、マッサージをお互いにしてもらう。
たくさんおしゃべりをしながら。
こういう二人組でやるエチュードは、発声の練習にもなるし、何より他人を前にして緊張してたカラダをほぐしていくのにちょうどいい。
発声練習じゃない、リラックスしたおしゃべりの声がまずあってほしいからね。
続いて、声を出して、カラダのどこに声がひびいていくかを、相手にさわっていってもらう。
声の高さによって、どう変わっていくのかとか、けっこう緻密な作業をしていく。
目を閉じないでカラダの中を見るっていうのかな? そんなかんじ。
芝居の声を出すのが久し振りのいりーなの声に「みがきをかける」ために、「体育会系発声練習」(?)を復活させる。
一音ずつ区切って声を出すタンギングとか、五十音アエイウエオアオとか。
夏の稽古なので、ちょっとムリ目にがんばっても、ノドをつぶすことはないだろうし、万が一、つぶれたって、今ならまだ本番には間に合う。
とにかく、いっぱいいっぱいというのを経験しておくにはいい時期だからね。
最後に、カラダを左右にゆすって歩きながら、声を出していく。
うまく伝わらないね?
カラダの重さを右足の落としたら、もう一度上に放り投げて、今度はそれが左足に落ちてくる。
これを繰り返していく。
重さが下に落ちたときに、ふっと息が出るんだけど、その息を音にしていく。
この息は出そうとする息じゃなくって、出ちゃう息なんだよね。
初めは「シュッ」っていう息の音、それから、それを声にしていく。
この声っていうのは、出そうとしてる声じゃなくって、出ちゃう声。
カラダに一番自然な高さのはずなんだ。
これをずっとやっていくと、結構疲れてくる。
微妙に違うんだけど、左右に飛びはねて歩きながら声を出してるわけだからね。
でも、その疲れたカラダから出てくる声は、一番カラダに自然な音なはずなんだ。
どんな声を出そうとするときにも、一番基本になるはずの音。
この「一番つらいときに出る声」を見つけてほしいとみんなに伝える。
いつもよりずっと広い稽古場でひたすら発声練習をして終わっちゃうっていうのは、なんだか贅沢でよかったね。
今の時期だからこそできる稽古ってかんじ。
稽古の帰りはいっこうちゃんと酒部活動……なんだけど、駅までの道に酒屋はないので、渋谷駅のキオスク(?)で調達。
山手線のホームから上野コンコースまで階段を上らないといけなくて、暑い人混みの中、後悔する。
今度から、ちょっと遠回りでも「地元で調達」しようと話す。
- 初日まで、あと34日!
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7月28日(土)
夕方、南新宿の全労済ホールのギャラリーで開催されてる「レインボーアート展」のオープニングパーティに顔を出す。
うちのまみーも作品を出している。
会場で、みんなに挨拶。ひさしぶりで会う人達がいっぱい。
日本画の林くんに、ラピスのヒロシさん、金丸さんとも。
「ひまわり」の衣装を担当してくれる、ジャスミンさんと立ち話でうち合わせ。
一番のテーマは「僕のウエストをどうするか」。
思い切って、コルセットで締め上げるか? それともださく「放置」するか。
あれこれとしゃべり、参考になりそうなドレスがある店を教えてもらう。
ちょっと見てきて、それから考えよう。
阿佐谷の駅で、遊びに来てくれた友達のりゅうさんと待ち合わせして、稽古場へ。
今日は、まみーとふっちーをのぞいて全員集合。
基礎トレをわりとちゃんとやってみる。
前回に続いての「体育会系発声練習」。
ひととおりやった後、今日は、荒くんの指導で「謡」をやってみる。
荒くんは、職場の敬老会の余興で、謡曲の「高砂」を舞わなくっちゃいけなくなったそうで、稽古が始まる前に、ずっと一人で練習してた。
ちなみに、荒くんは大学時代、能楽研究会にいた人。立ち姿がきりっとしてるのはそのせいなんだ。
「高砂やこの浦船に帆を上げて」という最初のフレーズ(?)を荒くんにやってもらって、あとは一人一人。
それまでの西洋式(?)の発声練習とは全然違う声だ。
それまではずっと立ってやってたんだけど、みんな正座してる。
なんだか今日一日の発声練習の、まとめの応用問題みたいな雰囲気になった。
荒くんいわく「はじめてであそこまでできるのはすごい」。
みんながんばったね。
最後に、久し振りのサカナのエチュード。
みんなでサカナの群れになって、集団で歩いていく。
方向が変わると、先頭にいる人=リーダーも変わる。
誰もがリーダーになるし、誰もがついていく人にもなる。
その臨機応変さ。みんなに同じようにある責任の重さみたいなのものを実感していくエチュード。
もう少し人数が多かったら2組に分かれて「闘ったり」してもよかったんだけど、今日はそこまで。
後半は台本の稽古。
まみーがいないので、隣のおばちゃんの役をうたちゃんにやってもらって、劇中劇の頭から。
これが妙にはまっておかしかった。
こないだ出したお茶の間のダメをもう少していねいにさらってから、次へ。
僕とイリーナの夜の美容室の場面。
女装したお兄ちゃんが帰ってくるところ。
二人の場面っていうのは、やっぱりやりやすいんだなと、すぐに感じた。
意識の集中の仕方がラクにできる。
そういえば、みんなを意識するという練習はよくやってるけど、二人っていうのは、あんまりやってないんだなと思ったりして……。
ずっと、続いて、夜の庭の場面の前まで。
二度目のお茶の間の場面はほんとに初めての立ち稽古。
今日はあたってみたかんじかな?
初演のときのいろいろが思い出された。
まだもう少し遊んでいってみようと思う。
後半からうたちゃんは、いつものふっちーのかわりに郡司くんの代役、石井くん。
かなり便利に使わせてもらっちゃいました。感謝。
稽古の後、歌ちゃんの車で二丁目へ。としくんも同行。
フライヤーとポスターをお願いする。
タックさんは「まずは手で配るわ」と言ってくれて、早速「これはいい芝居だから、見逃しちゃだめ」と言いながら、どんどん配ってくれる。すっごいありがたい。
どうぞよろしくお願いしますです。
初日まで、あと32日!
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