【当日パンフレットより】
フライングステージも今年で旗揚げから十周年を迎えることができました。これも毎回、お忙しい中、劇場においでいただいているみなさまのおかげです。この場を借りてお礼を申し上げます。
こうして、たくさんのお客様に来ていただけるようになったある意味「節目」の舞台が、この「陽気な幽霊」だったのだなと、今、しみじみ思い返しています。
今回で5回目の「陽気な幽霊」です。OFF・OFFシアターでの初演、ジェルスホールでの再演、札幌公演、そして池袋演劇祭でグランプリをいただいての東京芸術劇場での再演。この最後の再演から、もう4年経ってしまいました。
当たり前なのですが、4年も経てばいろいろなことが変わります。たくさんの人との出会いがあり、別れもありました。
僕も、今年「東京レズビアン&ゲイパレード2002」の実行委員長をつとめることになりました。これも、何年か前には思いもよらないことでした。
今回の公演の稽古中、僕のまわりの親しい方が何人もお亡くなりになりました。
新宿2丁目のバー「クロノス」のマスター、クロちゃん。いつも辛辣な芝居の評や、大好きな映画の話をいっぱいしてくれました。「新宿2丁目レインボー祭り」等でお世話になっていたアキさんこと川口昭美さん。どうしてそんなに元気なの?と思うくらいのバイタリティあふれるあの笑顔をもう見ることはできません。
前回の再演の時には、ダムタイプの古橋悌二さんに捧げた舞台を今回は、僕の勝手な思い入れで、このお二人に捧げたいと思います。
この芝居をやりながら、僕は死ぬことが怖くなくなってきている自分に気がつくようになりました。そして、同時にまた生きることのおもしろさもまた、たっぷり感じるようになりました。
今日、この劇場で、そしてまた、夏のパレードで、僕は、いまはもういないたくさんの大好きな人たちに、こう言いたいと思ってます。劇中の台詞のように。 「きっとだよ、きっとおいで。僕たち、待ってるから!」
本日はご来場、ありがとうございました。最後まで、どうぞ、ごゆっくりご覧下さい。
関根信一
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